哀しき白
丸い化け物
それは、俺たちの日常に、本当に突然、現れた。
山本と獄寺くんと、リボーンと俺との、学校の帰り道だった。
丸い、ボールのような機械。
ついさっきまで人間だったのに、俺を見た瞬間にやりと笑うと、突如姿を変え、大量の弾丸を撃ってきた。
マフィアとか、そんなもんじゃない。
純粋に、兵器だと感じた。
きっと、山本だって、獄寺くんだって、リボーンですらかなわない。
だから、俺たちは、逃げた。
「リボーン!
何なんだよこれ…っ!」
「……まさか、もうこっちにも来ていたなんてな」
珍しく冷や汗を流し、リボーンが呟く。
あの骸と戦ったときですら、冷静でいたリボーンですら、この状況は危険だと、感じている。
「どっかのマフィアの新兵器ですか!?こんなの見たことも聞いたこともないっすよ!」
「こりゃ…やばいのな…」
獄寺くんも、山本でさえも、今まで見たこともない恐怖を感じている。
あれに追いつかれれば、死ぬ。
それを、みんな直感的に感じていた。
「とにかく、逃げろ。
あれに追いつかれたら、」
リボーンが言い放った、刹那。
目の前に、あの機械が現れて。
じゃき、と音がして、もう駄目だと思ったとき。
『lv.1AKUMA、一体。
破壊、する。』
綺麗で幼い声がしたかと思うと、どぉん、と丸い機械が爆発した。
そこにいたのは、白髪の、俺たちより少し小さい少女だった。
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