◆Short Novels 2 . 「っ、あ……んぁ……」 目を閉じて、ひたすら奏斗は自分のモノを弄る。 絶頂に向かう為に、ひたすら今の現実から逃避する。 「……凄いね、後ろからでも溢れて来てるのがよく分かるよ」 「んぁ……言う、な……」 指摘されて、時折思い出す。 今の自分がどんな格好をしているのか。 下半身は裸になり自ら恥部を尋人へ見せて、後ろを自ら解す為に一心に自分のモノを擦る。 きっとその恥ずかしい姿は尋人にはよく見えていて、先端から零れる先走りさえも視界に捉えられているはずだ。 「っ、あ……も…やだ……」 見えなくても、背後から感じる熱い視線。 恥ずかしいのに、上下に動かす自らの手は止まらない。 まるで操られているようで。 まるで、尋人に見られて興奮しているみたいで。 「姫、たくさんイヤラシい汁こぼしてるよ」 「あっ、はっ……やだ……見、るな……あっ、んぁぁぁ」 尋人の声が引き金になって、奏斗はギュウッと自らのモノを握り締めて身体を震わせた。 同時に、先端からは白濁を勢いよく解放して、自らの精液で自らの顔を汚す。 解放感から震える身体に合わせて、先端からはポタポタと残らず精液を零していた。 「っ……はっ……あっ…んっ」 「そんなに溜めてたの?たくさん出したね」 「っ、うるさ…い」 「なら姫、次にする事分かってるよね?」 そんなの、言われなくても分かってる。 肩で息をして射精の余韻に浸る奏斗だが、自分が次にしなければならない事はよく覚えていた。 尋人が姫と呼ぶから尚更、この行為の目的を思い出す。 ゆっくりと達したモノをもう一度手で包み込み、全体に精液をつけた。 それを後孔へと持っていき、窄まりにぬめり込む。 何度も何度もそれを繰り返し、滑りが良くなった頃、まずは一本の指を後孔へ挿れた。 「んうっ……ふっ……」 息を吐きながら慎重に指を侵入させ、奥まで入れる。 奥まで指を入れたら、今度はナカが馴染むまでしばし待つ。 そして今度はゆっくりと指を引き抜く。抜ける限界まで指を出して、また奥まで埋め込む。 「んっ……あっ………ふっ……」 息を吐きながら身体が異物感に慣れる手助けをする。 それを何度もして指一本に慣れたら、次は指を二本へと増やしていった。 「っあ…………ふぁっ……」 「二本も飲み込んでるね、ここ……」 「だめ……触ん、な……」 指で縁をなぞられ、自分とは違う低い体温を感じて、第三者に見られているという意識が甦る。 頭に血が昇って、羞恥心から顔も熱くなった。 「もし俺の指を入れたらきっとここ簡単に飲み込むかも」 「っん……っぁ……」 ツプッと、一瞬だけ新たに他者の指が入って来た。 しかし本当にそれは一瞬の出来事で、引き抜かれた指はスーッと後孔の縁をなぞる。 「んぁ……はっ……な、で……」 咄嗟に出た奏斗の言葉は安堵ではなく不満から出るもので。 それに対し尋人がクスッと微笑み、「期待した?」と耳許で囁いた。 「駄目だよ、姫。約束が変わるから」 「っう……でも……」 知っているくせに。 恥を捨てて自ら後ろを解すことは出来ても、奏斗がそれだけで満足出来ないことを。 今ナカに収まっている指をどれだけバラバラに動かして不規則に刺激をさせて快感を得ても、尋人の与えてくれるもっと熱量のそれが与える快感を上回る事は絶対ない。 でも、はしたなく強請るのは恥ずかしい。 羞恥心が邪魔をする。 けれど、今は"違う"から……。 「…ひろ、と……」 物欲しげな声をして奏斗は首を後ろに向けた。 ナカに埋めている2本の指を使って、尋人に見せるようにクパッと開いてナカを見せる。 「……解した……もぅ、平気……」 「何が?綺麗なピンクの穴を見せて、上品じゃないよ?」 「姫、だから……王子の、待ってる…」 「誘ってるの?」 「王子様、のこと…好きだから。……だから、姫を、好きなように、して……」 恥も羞恥心も捨てて、けれど顔を真っ赤にして瞳を潤ませながら、必死に誘う。 演技の練習で、今自分は姫だから。 だから、恥ずかしい事も恥ずかしい言葉も平気だ。 だから、その代わり、求める事は1つだけ。 「王子様の、姫のナカに……入れて、犯して……」 「そんなの台本に書いてなかったけど」 「っ」 今はただ、この熱をどうにかして収めたい。 聞こえる尋人の楽しそうな明るい声と、僅かに見える笑み。 あぁ、そういう顔は嫌いじゃない。 「俺の好きな姫は淫乱だったみたいだね」 「……嫌い、ですか?」 「まさか。大好きだよ」 「っあ」 欲しくて欲しくてたまらないそれを、自分で広げているそこへあてがわれた。 「あ……いれ、て……」 早く、ナカに挿れて、奥をたくさん、突いて……。 お前のそれを、俺にちょうだい……。 奏斗は大きく息を吐きながら、期待に拳を握り締めた。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |