◆Short Novels
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「てめ、ふざけんな……」
ナカに熱い迸りを注ぎ込まれて、その熱さに目眩を覚えながらも、桜野は涙目なままで真崎を睨んだ。
「ごめんね。……出しちゃった」
「ごめんって、お前……」
「だって、桜野の中気持ち良いから……。ほら、今だって、締め付けてる……」
「ぁ……」
真崎が桜野のモノに触れ、吐き出した物をかき混ぜるように中を動かされて、桜野は身体を震わせた。
「ねぇ、もう一回……良い?」
初体験の人間に向かって、二回目を求めるなんて本当にいい性格をしている。
桜野は真崎をキッと睨んだ。
「……ふざ、けんな」
「何で?桜野だって……また前から溢れて来てるのに」
「…それ、は……」
桜野は熱い息を漏らしながら、なんとか理性を働かせて 堪える。
原因は真崎だと言ってやりたいが、まだ射精したばかりで身体が重い。
「……桜野、ヤりたい…」
真崎の掠れた声が、なぜか耳から腰にかけて電流でも流れたみたいに響いた。
「ぁっ……ダメ…」
「俺を選んでくれて……ありがとう」
「ん、真崎……ダメ……まだ、っ…」
真崎が、律動を開始して、桜野の奥の前立腺を抉る。
達したばかりで、なおかつ中に注がれたまま動かれたら真崎が吐き出したものが音をたてそうで、それにまた感じてしまいそうで、桜野はうわ言のように「ダメ」と繰り返す。
「……桜野、素直になって良いんだよ…」
「ぁ……」
首筋を吸われ、桜野は背をしならせた。
「桜野……ごめんね?」
最後に記憶にあるのは、声色とは裏腹な意地悪い真崎の笑顔と、遠慮の無い動きだった。
――――
「……ねぇ桜野、ちゃんと集中してよ」
「んぁっ」
急に中を抉られ、桜野は思わず声をあげた。
過去の回想から快感により現実に引き戻された桜野の目に、嫉妬の色を帯びた目をした真崎が映った。
「……他の事、考えないで……今くらい、俺の事考えて」
「てめぇ……急に動くなよ……」
桜野は与えられる快感を堪える為と仕返しの為に、真崎の鎖骨を噛んだ。
「っ、良いよ、噛んでも……。俺いつも、桜野の中で気持ち良いから……。それくらい、平気」
真崎はそれも構わないと、桜野の頭を押さえて更に噛み痕をつけるよう促す。
「んっ……や……動く、な……」
「ねぇもっと、顔見せて……。鳴いてる顔、俺だけに、見せて……」
突き上げが激しくなり、桜野は真崎の首に腕を絡める。
噛み痕をつける為にと開けた口からは、飲み込めない唾液が溢れた。
「……は……ん、やぁ……」
「やっぱり、桜野は綺麗だ……」
真崎はうっとりと言い、桜野の生理的に流れた涙を舐めとる。
「……性格、最悪だな……」
「じゃあ……止める……?」
「バカか、てめぇ……」
膨れ上がった欲望を抜こうとした真崎に、桜野は再度噛み付いた。
「俺をイカせてからにしろ」
その不敵な笑みが性格悪いと詰っている相手を喜ばせるとも知らず、桜野は自らその懐へと飛び込んだ。
fin.
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