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◆Short Novels

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「あっ、あ……そう、すけ……蒼介……」
「っ、翠……中が凄く締め付けて、くるね……」

まるで長年封じられて解放された獣のように――いや、事実獣のように蒼介は慧を翠として求める。実際、生前蒼介は翠に対して唇が触れ合う程度のキスはあってもそれ以上の事はしていなかった。

壊さないように溺愛して宝物のように守っていた。


「ひぁ、蒼介……前、触っちゃ、だめっ…」
「何で?前したらもっと気持ち良くなるよ?」
「あぁ、やっ、だめ、だめっ……」


今の慧に対しての扱いとは真逆だ。
そうして蒼介は先端から溢れんばかりに蜜をこぼしている慧自身を乱暴に扱く。慧は涙を浮かべて止めるように懇願するが、それは聞き届けられない。


「いっぱい、いっぱい気持ち良くなって、翠。そして、その顔を俺に見せて……」
「うっ……やだ、よ。あっ、ふっ…蒼介、イく、から……触るの、だめぇ……」
「もうイく?良いよ、イって……」
「ひぁ、あっ、ああぁぁぁっ……」


先端を強く握られカリの部分を触られ、おまけに首筋に舌を這われて。そのゾクッとした感覚も合わさって、慧は堪えきれずに達し、蒼介の手の中へ大量の白濁を吐き出した。


「は、あ、ふっ………」
「可愛かったよ、翠」


脱力して肩で息する慧を愛おしそうに"翠"と呼び抱き締める蒼介。
それをまるで自分に対して与えているものだと錯覚しそうで、今すぐに抱き締めないでくれと突き飛ばしたい衝動に駆られた。
しかし、今自分は翠であって慧ではない。
蒼介は純粋に翠に対して愛情を注いでいるだけだ。

翠が与えられていた筈のものを貰っているのは自分だ。
悪いのは、自分ただ一人。


「次は、俺が翠の中にたくさん出すから……」
「っぁ……」


グイッと腰を掴まれ、慧の中に埋まっていたモノが存在感を強調してくる。それに感じて期待しているような声を出してしまった。
慧のモノも達したばかりだというのに、その熱さと質量に慧は喉をならして再び自身に硬さを取り戻す。


「翠……好きだ」
「っ、蒼介……あっ、や、あぁっ」


再開したのは先程よりも激しい律動で、慣れたように慧の感じるポイントを外さない律動で。
この行為の頻度の多さを物語っているような気がした。

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