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◆Short Novels
10 終



「あっ、はっ……ひぁっ……い"っ…」
「俺にばっか動かせんなよ…」

部屋に響くのは、腰を打ち付ける音、佐藤の甘い嬌声とそれに混じる痛みに堪える音。
そして、痛みの声と同じ頻度で響く乾いた音。


「お尻、やだぁ……」
「嫌な人間は先走りなんか零さないよ」
「ぁぁっ……前、だめぇ……触らな…で」
「なんで?お前がだらしなく零してるのを証明しようとしてるんだけど?」
「っう……」
「ほら、良く見なよ」


グチュグチュと佐藤のモノを弄り、シーツに伏せている佐藤の眼前に手の平にベッタリとついた白濁を晒した。


「あっ、やっ……」
「………嘘つき」
「い"あ"ぁっ……はっ、やっ……」


恥ずかしさから目を逸らした佐藤に耳許でそう囁き、また叩いた。
何度も叩かれた佐藤の尻は身に付けているサンタクロースの赤いスカートと同じように赤く染まっている。


「叩かれても締め付けてるのに、どこが嫌なんだかね」
「っ、ごめん、なさ…い……」
「良い子の所に来るのがサンタさんなんじゃないの?」
「んっ………あっ……っ」
「そのサンタさんが嘘つきの変態なんて、コスプレにしても最低だね」


腰を打ち付けながら佐藤の奥を何度も穿った。
そしてたまに前立腺を抉り、そしてまた別の所を敢えて突く。
キツく締め付けて離さないナカを蹂躙しながら言葉で佐藤の羞恥心を煽り、律動で佐藤の快感を煽る。


「お前は、俺に何をくれるの?」
「あっ、はっ……何が、欲しい…?んぁっ」
「佐藤からなんてたかが知れてるからね…」
「っ、あぅ……ひぁっ……」
「何もくれなくて良いよ。だって、元々お前は俺の物でしょ?」
「あ"あ"ぁっっ」


問いでもなく、濱本のその聞き方は確認と同じで。
その言葉と同時にパシッと既に赤く腫れている尻を叩く。
背中をしならせ、首を大きく縦に振っている佐藤の姿は濱本の言葉に肯定を示していた。


「……分かったなら、俺より先に出さないようにね」
「んんっ、あっ……奥、が……」
「ちゃんと突いてるでしょ……」
「あぁっ……はま、もと……濱本…」


譫言のように、佐藤はひたすら濱本の名を呼び、気持ちいいと訴える。
濱本の動きに合わせて、自ら腰を振り快楽を追う。


「……うるさいよ」
「ひぐっ……っう……んあぁ」


罵声を浴びさせ、叩いて、それを受けている人間はそれに嫌悪するでもなく快感を抱いている。
自分達の間に果たして愛と呼べる感情があるのかどうか不明で。


「……俺もお前も、変わってるよね」
「あぁっ、好き……だよ……」
「気持ちいいのが、でしょ」


首を横に振る佐藤を無視して、濱本は上半身を屈み、佐藤の肩に歯をあてた。


「服も赤で、尻も赤くなってるんだから、俺が赤いのつけてあげるよ」
「ぁ……濱本?」


ゆっくりと首を後ろへ向けようとする佐藤に構わず、濱本は思い切りガリッとその部位を噛んだ。


「あ"あ"あ"ぁぁぁっ」
「……キスマークとでも思った?」


唇をそっと舐めた濱本の視線の先には歯の痕と滲み出た僅かな血。
痛みから大きく叫んだ濱本の声と同時に、締め付けられたナカ。
その強さから濱本は首を傾げながら、そっと佐藤の自身に手を添えた。


「………俺より先にイクなって言ったのに」
「あっ、あ……ごめんな、さ……」
「変態よりも淫乱よりも嘘つきよりも、俺は約束破る奴の方が大嫌いだよ」


佐藤が出した白濁とした液体で手が汚れた様を見ながら言う濱本の地を這う冷たい声に、怯えた表情を見せる佐藤。


「幸い、今日はお前の親は出張だろ?帰らなくても構わないよね?」
「は、濱本の……」
「俺の所は気にしないよ。お前がどんなにはしたなく嬌声をあげたって気にしない。だから、思う存分俺を楽しませてね」


声とは真逆の微笑みが相手に感じさせる怖さを増す。
そのまま濱本は佐藤の着ていた服にそっと手をかけた。


「サンタの服なんか着なくても全身赤くしてあげる。だから、俺の喜ぶプレゼントをお前に俺に与え続けるんだよ?」
「ぁ……」


倒錯している、サンタクロースからのクリスマスプレゼント。
頷く佐藤に、濱本は自ら付けた傷跡を舐めた。


Fin.

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あきゅろす。
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