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◆Short Novels

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「あ"あ"ぁぁぁ…」
「翠……また後ろだけでイったね」
「あ、はっ……そーすけぇ……許してぇ」

何度名前を呼んでも、何度助けを請おうとも、決して蒼介はそれに応じてはくれない。
何度も何度も解放出来ない状態のまま高みに昇らせてイかせるだけ。

終わらない連鎖。
止まらないイキ地獄。

声も枯れて涙も渇いて。
それでも蒼介は慧の中に収めているそれを突き動かして最奥まで貫く。
何度も何度も、奥に熱を吐き出して、慧の中を満たして溢れさせる。


「…苦し……そ、すけ……もう、」
「ねぇ翠、聞こえる?俺が出したのが翠の中に入り切らなくて溢れてる」
「っ……」


蒼介が溢れ出したそれを掬い取って慧の目の前に見せながら、腰を動かして音を聞かせようとする。
背後から聞こえる羞恥を煽る水音に耳を塞ぎたくなる。
けれどそれは蒼介によって縛られている為に不可能だった。

耳を塞ぐことも目を塞ぐことも。
自分で前を触って快感を得ることも。
そして今自分を抱いている人間に抱きつき縋ることも。
そのどれも、今の慧には許されてはいなかった。
ただ1人でこの状況に耐えて享受するだけしか、許されていなかった。


「翠……耳まで赤くして可愛いね。俺から、離れるなんて絶対に許さないから」
「……絶対、離れない、から……」


だから、もう、許してくれ。


耳元で囁かれる強い言霊。
囁かれるたび、それは慧の脳内に染み付く。


「もっともっと、俺だけになるように、俺を植え付けてあげるから……」
「あ、また……やめ……んあぁぁぁ」


なぁ、蒼。
お前は、本当の翠にならこんな事してた?
きっとお前の事だから、壊さないように優しくしてたよな?

やっぱり俺だと、お前を楽にしてあげる事は出来ないのか?

ごめん、蒼。
俺でごめん。
俺じゃなくて、ごめん。

でも、もう慧はいないから良いよな?
許してくれるよな?
片割れを裏切ってた奴はもういない。
蒼を、蒼介を秘かに想ってた奴はもういない。
だからもう、安心してよ、蒼介。


「あ……はっ……ごめんな、さい……蒼…介」


解放出来ずに赤く腫れている自身の先端から蜜をこぼしながら、慧は渇いた涙の跡に新たな涙の筋をこぼした。

Fin.

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あきゅろす。
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