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◆Short Novels

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「サンタさん、つまんないよ」
「ごめんな、さい……」
「俺を満足させてくれるんじゃないの?」
「っ…」
「じゃないと、俺がサンタさんにお礼出来ないでしょ?」


本当にお礼する気があるかどうかは、別だけど。
そしてそれに佐藤が気付いてはいないだろうけど。
いい加減察しが良くなっても良いだろうに。いつまでも佐藤は、濱本に振り回されるままだ。


「サンタさんは俺から何を貰いたいの?」
「俺、は……」


物欲しそうに、佐藤が濱本の股間を見る。


「人のを勝手に視姦する前に自分の役割果たしなって」
「ぁ、でも、だって……」
「簡単でしょ?1人でシてイったら良いだけ。いつもしてるでしょ?」
「っ」
「何も難しくないよ。俺が放置してる時、いつもお前してるでしょ?」


いつもと一緒だ。
簡単に達してしまわないように自身の根本を止めて、濱本は何も手出ししない。
ただ違うのは佐藤も手出ししてはいけないという事だけ。


「優しいから、寂しそうにしてたお前の後ろにちゃんとローター入れる事は許可してあげたでしょ?」
「そう、だけど……」
「後は勝手に1人でお前が好きに動いてイったら良いの。ね?簡単」


濱本は両手首を紐で背中に回されて結ばれ、床の上で肩を支えに四つん這いになっている佐藤を見下ろす。


「早くしてよ?俺が飽きる前に、ね?」
「あ、やだ、ダメ……」


飽きるという事は今の佐藤を放置して濱本は何もしないという事だ。言葉でなじる事もなく、視界から佐藤を消すだけ。
その辛さを佐藤はよく知っていた。


可哀想な佐藤。
でもお前のそういう所、気に入ってるよ?


佐藤の泣いている顔も好きだけど、こういう風にいつまでも濱本の投げ出す課題に恥じらいや羞恥心を持つ所も実は結構気に入っていた。
外に出ると奔放で、振り回されているのは濱本のように周りからは見られているかもしれない。

でも、こういう時だけは。
ーーいや、振り回されているように見える普段から実は、佐藤の行動の中心は佐藤だ。

それに気付いていないのは、当人以外の周りの人間だけ。


「お前が今までにぶち切れて喧嘩を買って来た奴らを呼んで余興しても良いけど……」
「やだ、それやだ……濱本だけなの、濱本だけ、だから……」


暗に、自分でなく他のどうでも良い人間に乱雑に犯してもらえば?と伝えると佐藤は必死に首を横に振り拒否する。

濱本だけだから、と佐藤は訴えるけど、それは精神的な話だ。肉体的には誰からにだって身体は反応するし快感を得る。それは男という生き物ゆえに、避けられない。

やっぱり、今度試してみるのも良いかもしれない。
濱本はまた一つ悪巧みを思い付いた。


「なら、動きなよ」


そして濱本は足元にいる佐藤にも見えるように、埋め込まれているバイブの設定をランダムに変えた。


「あ、あ、ひあぁぁぁぁ」


佐藤の高く上げられた尻が大きく揺れ、ミニスカートから見えるのは後孔からはみ出ている大きなローター。それさえもブブブと揺れており、眺めは酷く卑猥だ。
突然中で蠢き始めたそれに佐藤は高い声をあげ、後ろの足が徐々に広がっていく。


「頑張って、サンタさん?」


楽しそうに、濱本はその光景を眺めながら言った。


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