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08


リヴァイは立ち去った後、エレンの質問の回答の内容に後悔した。何故自分はあの時に見たことない、と事実を言ってしまったのだろうかと。


「クソ…」

「あれ、不機嫌」

「五月蝿い」

「そんなこと言わなくても…何かあったの?子狐ちゃんと」


ハンジはまるで見ていたかのようにリヴァイの心情を掻き分けてくる。リヴァイはあまり快く思わずさらに眉間にシワをよせる。


「そんな怖い顔しないでよ、て言うか此処に来たのはソッチの所為でしょ?」

「…帰り道だ」

「よく言う、家なんて無いくせして」


ハンジはリヴァイを茶化す。だが、そんなことをすれば大抵リヴァイの蹴りが入るのだが今日は妙に大人しい。ハンジは笑いながらアレ?とリヴァイを振り返り見るが何もせず棒立ちである。


「リヴァイ…風邪でも引いた?」

「妖怪が風邪なんか引くか」

「だよねー…どうした?」

「あの狐にあの時助けた事がバレた。」

「…ハァ」


ハンジはあまりの普通な悩みに目が点になる。しかし、リヴァイは考え込んでいるようで軽く考えたハンジに睨みをきかす。


「…俺が払い屋からアイツを助けたってのはかなり問題な話だ…お前は妖に詳しいのか詳しくないのかハッキリしろ。」

「仕方ないでしょ、知りたくても教えてくれない奴ばっかだし。」

「…ようするに、地獄に落とされた死者や妖を導くのが仕事の俺ら鬼にとって、落ちかけた奴を引きずり戻すのは仕事を無いことにするのと同じってことになる。」


リヴァイの顔には影がかかり、月にも怪しく雲がかかっていく。ハンジは成る程と納得している様子だが、なにか腑に落ちない所があるらしく頭を傾ける。


「でも、子狐ちゃんが知ったとこで別に意味は無いんじゃないの?」

「確かにそうだが、あまりこの事は口外にしない方がいいに決まっているだろ」

「ああ…そう言うこと…ん、でもそれだけ…それだけそんな深刻になる?」


ハンジは何かを察したかのように先程の引っ掛かりを解いてみる。リヴァイは肯定も否定もしない顔でまた話はじめる。


「いや、そこは大して困りはしないんだがアイツは俺に惚れているようでな、それが本当だとしても騙しに使ってたとしても厄介だ。」

「…ものずきだねえ」

「……俺と言うかあの時助けた俺にだ。それにアイツに俺が助けたのがバレてるってことが厄介だ」

「別にいいじゃない。そんな深く考えなくたって、また明日会いに言ってあげれば」


ハンジはため息混じりに思ったことを吐き出す。此処は相談所かといいたい気をグッと押し込め、リヴァイの話にのる。日頃から様々な妖怪の説明をしてもらってる事から断る意味もない。


「会ってどうしろと?」

「…だって子狐ちゃんが会いたいって言ってたんでしょ?」

「ああ、だが礼を言いたいだけらしい…それに俺は3日後には此処から離れる身だあまり深入りするとアイツが可哀想だろ」

「へえ、リヴァイって人のこと可哀想だと思うんだ。」

「…帰る」


リヴァイはハンジのからかいがうざくなり、何もない道に引き返す。ハンジは止める理由もないと背を目でおい、また自分も帰路に戻る。





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あきゅろす。
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