Geass×PERSONA3パロ
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始業式は退屈なことこの上なかった。まず、校長の話が長い。無駄に長い。端的に要領よく出来ないものか、とルルーシュをイラつかせた。
すると、後ろの椅子に座るある男子が話しかけてくる。
「ねぇねぇ、君紅月さんと一緒に登校してたよね?君ってさ、紅月さんとどーゆー知り合い?つーか紅月さんって彼氏いんの?その辺誰もしらなくてさ」
ルルーシュはあきれて物が言えなかった。ただ1回一緒に来ただけでこうなるとは、相当の人気だと理解した。そして、こういうことをいちいち聞いてくる奴はルルーシュの中でバカというグループに問答無用で押し込まれる。
「さぁな。俺はたまたま彼女と寮が同じで、今朝は案内してもらっただけだ。それ以上でもそれ以下でもない。それに、俺は転校生だから会ったのは昨日がはじめてだ。知っているわけがないだろう」
ルルーシュは振り向きもしないで、何も言い返されないように言い切った。男子生徒はそれでも、ルルーシュとはどういう関係なのかをさらに追及してきた。さっき寮が一緒なだけだと言い切ったのだが。
校長の話だけでもイラつくのに、さらに追い討ちをかけられているようだった。
「おや、話し声が聞こえますね」
校長がそういった。扇が静かにしろと一言言うと、男子生徒はあわてた様子で席に座りなおした。ルルーシュは何事もなかったようにそのまま正面を向いていた。
こういうヤツには極力関わらないのが身のためだな、と頭の中にとどめておく。その後は得意の居眠りで時間を過ごしたのは言うまでもない。
その放課後。ルルーシュは精神的に疲れ、さっさと帰ろうと支度をしていた。あの校長の話の無駄の多さにはヘドがでる。だが、今日はとことん邪魔が入るらしい。
「よっ!転校生!」
後ろから話しかけてきたのは、一人の男子生徒。いきなり話しかけてくるものだから、当然ルルーシュは驚いていた。マジでビックリするなよ、なんていわれても正直困る。
「なんか用か?」
「ぁ。俺リヴァル・カルデモンド。リヴァルでいいよ。実は俺も中学んとき転校してきてさ。転校生っていろいろわかんないことも多いじゃん?だから、俺が先に話かけないとなって思ったんだ」
「…心遣いだけありがたく貰っとく。だが、そんな心配はいらない。この学校のことは大体把握したからな。解らないことはないといってもいい」
「…マジかよ…」
逆に驚かされるリヴァルであった。
すると、教室にカレンが入ってきた。
「ぉ。カレン!また同じクラスだな!」
「まったく、アンタは相変わらずね。誰彼かまわず馴れ馴れしい。ちょっと相手のこと考えなよ」
「…親切にしてただけなんですけど…」
リヴァルの声が小さくなった。そして、追い討ちをかけるようにルルーシュが言う。
「いつもそうなのか。ありがた迷惑って単語、覚えておくといいかも知れないぞ。リヴァル」
「ひっでー!二人して!」
リヴァルが完全に孤立した状態になった。だが、カレンもルルーシュも聞く耳を持っていない。
「なんか、偶然ね。同じクラスだなんて」
「ただの偶然だ」
「それはそうだけど…」
カレンがあまりにもそっけないルルーシュの一言に言葉に詰まった。ルルーシュは基本、あまり人とかかわりを持たないようにしていた。だけども、最低限はとる。そのバランスはかなり上手いものだった。
「おいおい…俺も同じクラスなんですけど!扱い全然違うんですけど!…ってまぁ、あそれはおいといて、お二人に聞きたいことが。一緒に登校してきたってあたりを詳しく…」
リヴァルの目つきがいやらしくなった。この瞬間にリヴァルもルルーシュの中でバカの類にめでたく収容。
「なっ!やめてよ!たまたまだって!噂になるの早すぎだし…!」
露骨にカレンが嫌そうな顔をリヴァルに向ける。そして、ルルーシュにこっそりと小声で話しかける。
「あの…ちょっとさ。あのこととか言ってないよね?」
「あぁ。言っていない。そんなに信用ないかな、俺って」
「いや、そういうわけじゃないんだけど、一応ね。昨日の夜のことは、本当に誰にも言わないで」
リヴァルがすかさず”夜”という単語に食いついてきた。
「夜ですと!?…き…昨日の夜って…え?」
「ちょ…!変な誤解しないでよ!とにかく、彼とは昨日あったばかりでなにもないの!まったく…。私は部活の用事あるからいくけど、変な噂だけは流さないでよね」
そういうと、カレンは教室から出て行った。リヴァルはそんなつもりはない、とその後に付け足したが、見るからに口が軽いのは解った。ルルーシュはため息だけついた。
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