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Geass×PERSONA3パロ
-7-
 ―――深夜

 寮のとある一室。そこにはコーネリアとカレンの二人が壁の大きな画面を見ながら、そしてその下にあるそれを操作するものであろう、コンピュータのようなものが六つほど並んだ前に座りながらその画面を見ていた。
 画面にはルルーシュの部屋が映し出され、ルルーシュはベッド眠っていた。さらに色々なグラフがリアルタイムで動いている。

「お疲れ様、どうだい?彼の様子は」

そこにシュナイゼルが現れる。もちろん”彼”とはルルーシュのこと。

「さきほど就寝しました。今は眠っています」

コーネリアは簡潔に答えた。

「理事長、やはり彼は…」
「まあ、とりあえず見守ろうじゃないか。もうすぐ“影時間”だからね」

シュナイゼルは真剣な面持ちでそういった。
そして、時計の長針と短針は12時のところで間もなく重なり合おうとしていた。


また、それはやってきた。
時計が0:00をさした瞬間、空はきれいに染め上げたような紺ではなく、どこか不気味な雰囲気を帯びたあの月の光しか存在しない世界。


 「…!?」

場所は街の路地裏。不良がたまるその場所で、たった一人の男だけそこにいた。突然訪れた、見たこともないモノ――棺を目の前に、ただなんともいえぬ恐怖に襲われていた。

「はぁ、はぁ、はっ…あっ…あぁ…あ…はぁっ」

男の手にあった携帯は、男が苦しみ始めるのと同時に手から滑り落ちた。その男の身体からは黒い泥のような液体がポタポタと落ちてきている。それは手から、目から、頭から。

「ああああああああああああぁぁぁ!!!!!」

頭を抱え、男が絶叫する。絶叫が途絶えた瞬間、男はその場に字の如く崩れ、黒い塊と化していた。


 ―――同時刻・寮


 「平然としているね」

シュナイゼルはいたって冷静にそう一言いい、さらに続ける。

「毎晩0時になるたび訪れるこの”影時間“は、いわば隠された時間だ。普通の人間は棺のような姿に”象徴化”して、この時間があることすら感じない」
「理事長、じゃあ彼は…」

カレンがやはり、といったようにそう口にする。

「見ての通り、彼に“象徴化”は起きていない。眠ってはいるけど、彼は今、ちゃんと影時間を体験している。後は“適性”があるかどうかだが…。…これはあるのだろうね。なければ今頃“ヤツら”の餌食になっているだろう」
「餌食…ですか」
「兎に角、彼には悪いがもう何日かはこうして様子を見ないといけないね」

シュナイゼルが二人にそういった。その顔は、あまり悪いと思っている表情ではなかった。

「はい」
「隠れてこんなことして、ちょっと気が引けますけどね」

コーネリアが素直に返事をしたのに対し、カレンは本当に申し訳ないと思っているのだろう、少し皮肉をこめるような口ぶりでそういった。
 そして、三人は静かにもうしばらくルルーシュの監視を続けるのであった。


* * *


 黒と白のチェッカー柄の床。その上を風のように奔る。なんで自分がそんなに早く奔っているのかはわからない。空を低空飛行で飛んでいるイメージだ。
 少しすると、入り口があった。その入り口は少し開かれており、そこからは白い光があふれ出ている。そして、ためらうことなくその中に入る。
 その扉の先は、青で統一された部屋。そこには、また青で統一された服を着ている女性に、鼻の長い老人が一人。
 その二人の後ろには大きな時計。時計としての機能は果たしていない。なぜなら時間的にありえない速度で回っていたから。さらに、その部屋は恐るべき速さで上昇を続けていた。スピードは速まることも遅くなることもない。ただ淡々と、上を目指していた。

「ようこそ、我がベルベットルームへ」

老人が一言、そういった。ルルーシュはそのとき初めて自分がろの老人の前でイスに座り、対面していることに気付いたのだった。



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