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novel

今日は朝からハプニングが起きた。

それはアズがおねしょをしたとか

ルクが二次元から帰ってこないとか

そういった生温いものじゃねぇ。


…朝起きたら俺の枕元に手紙が置いてあったんだ。

しかも送り主は、百華からだ。
絶っっ対に良い知らせじゃないでしょ。

俺は、すぐさまアズとルクを叩き起こした。

2人とも、百華の手紙に目を丸くするばかりだ。

「ととととりあえず、lookちてみよう」

ルクが動揺を隠しきれず、途中で噛んだ。

「そうだね、早く手紙読めよセン」

アズが反抗的に言う。
こいつのSっぷりには勝てない。

俺は封筒をちぎり、中の手紙を読んだ。

「えーっと…“お前らへ”」



「えぇえー!何、この上から目線な宛名!」


「ルクうるさい黙れ」

「…」

アズの一声があればルクだって勝ち目なし。
うるさいぐらい驚いてたのに、一気に静かになった。
俺はそれを見て、手紙の続きを読んだ。

「“今日は慄の誕生日です。
お祝いに、一人一つずつ、何か面白いことをしなさい。
そして心からお祝いしなさい。
ただし、お好み焼き風のケーキは作らないこと”」

「えー!あれはれっきとしたケーキだよ!」

不服そうな顔をするアズ。だけどすぐに笑顔になって言った。

「あ、またケーキ作る?」

おいおい、ちょっと待て。

「やめとけ、アズ。
あの百華の誕生日のあと、悲惨な目に合っただろ」

「そうそう。
百華のmouthに合わなかったんだよね、あのケーキ。
だから俺達、アイアンクロー喰らったんだよね」

そうなのだ。百華の誕生日は悲惨なぐらい殴られた。
原因はあのケーキ。
相当マズかったのだろう。

アズは「ちぇっ」と舌打ちをした。

「…にしても、面白いことか〜。
ルク、何かあるか?」

「う、うん…十八番ならあるよ」

「やれよ。やってみろよ出来損ないの死に神さ〜ん」
「……」

「こら、アズ。言い方酷いぞ。
えっと…ルク、やってみてくれ」

ルクは俺に何度も頷くと、俺達の目の前に立った。
…何が始まるのか。

緊張で張り詰めた空気の中、ルクは口を開いた。







「…アルミ缶の上にあるみかん」






……ん?どうした十八番。

…え?まさかこれが十八番?

俺が唖然としていると、今度はアズが口を開いた。

あーあ、またアズの毒舌が発射され…




「…土管がどかん」






…発射され…あっれェエェェ!?
アズゥゥウゥー!!?

「マウスちゅーマウス」

「カラスが喉を枯らす」

「服で吹く」

「ふとんが太んねぇ」

「泡が粟」


ちょっと待て。
え、何、この展開?

ってゆうか「泡が粟」って何だよ。

「ちょ、2人ともいい加減にしろ」

俺の声は2人には届かず、更にヒートアップする2人。


「野菊と野鳥」

「ORAに力を!」

「豆製品は豆類です」

「え?おま…中村?雰囲気変わったなぁ!」

「もう何年もお箸を握っていないからな…」

「俺?バカっ、俺は中村じゃねぇよ!中村はお前だろ!俺は田村だよ!」

「フォークとナイフとそれから私。みんな違って、みんな良し」

「おま…、中村じゃねぇだろ!!だって中村は鼻の下にホクロはなかったぜ!てめぇ偽物だろ!」

「え?スプーン?あれはれっきとした食器ですってば!」


オヤジギャグから、全く謎の発言をする2人は、とうとう殴り合いを始めた。

しかも話題噛み合ってねぇのに。

てゆうかやる気あんのかよ。
慄の誕生日、祝うんだろ?

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