What do you like?[1] 空は快晴。 今日は見事な秋晴れだった。 窓側の席で、授業中にも関わらずボーッっと空を見上げる。 たまに先公が何だかんだ言ってくるけど完全無視。 オレの人間性なんてこんなもん。 ま、サボってねぇだけマシな方だろ…? 自分で自分に言い訳。 キーンコーンカーンコーン♪ 「やっと終わった…」 手を組んで伸びをする。ただ話聞いてるだけの授業は本当につまんねぇ。国語とかサイアク。今日みたいに昼休み前の授業が国語だったもんなら… 「ねみ─…」 睡魔が襲ってくる。 けど、すぐにアイツが来て、オレの眠気なんかウソみみたいにどっかに飛んでいく。 「失礼します!!檜佐木先輩いますか!」 早速来やがったか。 いつもより早いご登場。 …仮にも後輩のくせして、教室の入口で大声で叫ぶ。周りのクラスの奴等はもう慣れたみたいで、『また来たな』とか言って笑ってる奴も居るぐらい。 ガタッ… 返事もしないまま席を立つ。返事するのがめんどくせぇ…ってか、いつもの事だし。 「今日は屋上でいいっスよね?」 廊下に出ると、オレが来るのを待ち望んでいたかのように、目をキラキラさせながら阿散井が立っていた。 話の筋は今日の昼飯を食う場所のこと。気分次第で毎日コロコロ変わる。 「ん。今日は空がキレイだしな」 澄んだ秋晴れの空を思い出す。 「…先輩、どっかに頭打ちましたか?」 「ばーか。さっさと行くぞ。」 「あ、ちょ待っ!」 ***** 「あ、今日はデザートがあるんで、早く食って下さい。」 「デザート?」 屋上に着き、弁当箱のフタを開けながら阿散井が言ってきた。 「そうっス。先輩いつも遅いんスから。きっと先輩も好きだと思いますよ。」 「ふーん…」 食後のデザートね。恋次のおごりならなんでも良いけど… あ。もしかして。 「なぁ」 「ハンフハ?(なんすか?)」 口に食べもんが入ったまま返事する恋次。 本人に言ったら絶対引かれるけど、こういうトコとかすげぇ可愛い。 「…先輩?」 うおっと。オレとしたことがトリップしちまった。言いたかったことは… 「デザートってオマエ?」 「違います!」 [Next→] |