おお振り文
怒られたい!(花田)*



花井は優しい。
すっげー優しい。
うん、ゲンミツに。



「花井ってさあ、怒る?」
「はあ?」
「だーかーらー、怒ったことあるのかって聞いてんのっ」


部室で帰りの準備をしながら、
日誌を書いてる花井に言った。


「そりゃあなぁ、あるにはあるよ。当たり前だろ」
「ふーん。でもオレ怒られたことないっ」


オレがそう言ったら
隣で着替えていた阿部が
「いつも怒られてんじゃん、赤点取るなとか。」
と言った。


「そーゆんじゃなくてさあっ‥」


うーん‥
何てゆーか‥


「本気でだよ!」
「本気?」


花井の頭上にクエスチョンマーク。


「オレに本気で怒ったことあるっ?」
「うーん‥難しい事言うなぁ」
「ほらっ、オレに怒ったことねーってことじゃん」


着替え終わったやつはみんな部室を出て行く。
結局残ってんのは、花井に話し掛けてて着替えること忘れてたオレと、日誌書いてる花井と、着替えんの遅い三橋と、三橋を待ってる阿部だけ。


「あ、阿部くっ‥ごめんねっ」
「いいから早く着替えちまえ」


阿部と三橋は仲いーよなー
だって付き合ってんだもんなー

オレと花井も付き合ってるけど!


「三橋はさーっ、阿部に怒られたりすんの?」
「す、する、よっ」
「どんなことっ?」
「うーん‥球数制限守れ、とか」
「うんっうんっ」
「あと、よく寝ろ、とか」
「野球以外にはっ?」
「うーん‥あ、」


三橋は目をぱちくりした。
そして阿部を伺いながら小声で

「前ね、オレ、修ちゃんにキスされちゃって‥もちろん事故だよっ、そしたらすごい怒った‥」
「すごい?」
「う、うんっ、すっごい」


普段から怖い阿部が
更に怒るとなると‥怖っ。


「ふーん、いいなー」
「な、何が?」
「オレも怒られてみたいっ」
「あ、阿部くん、にっ?」
「阿部に怒られるとかゲンミツに嫌!花井っ、がいい!」


うーん
どうしたら怒るかな?


オレも誰かとキスしてみるとか!

うん、いいかもっ


「みーはーしーっ」
「う、うぇ?」
「ちゅーっ」
「ふぁ!‥っ」

三橋の頬に軽くちゅー。


「たっ、田島ぁ〜!」


阿部の怒気の含んだ声が
部室に響いた。


「た、田島くんっ‥な、んで‥」
「花井!怒った?」
「…………」


花井はオレ達を見て、
でもすぐに日誌に視線を戻した。


「ちぇーっ、つまんねー」
「つまんねェじゃねェ!お前三橋にキスしやがったな」
「阿部くんっ、落ち着いてっ」
「落ち着いてられっか!」


阿部が暴れ出したのを三橋が必死で止めて、
「じゃ、じゃあね!田島君っ、花井君っ」
と三橋は言い残し二人は帰って行った。


「‥阿部のヤツ、怖ぇ〜」
「………‥」
「はーなーいー」


花井はオレの言葉を無視して、シャーペンを走らせ続ける。
堪らなくなって花井の制服の袖を引っ張った。


「なあってば!」
「…あ?」


やっと合った目は、いつもは想像出来ない程の冷たい視線。
その瞬間、床に押し倒された。


「は、ない?」
「…オレが、何だって許すと思ってんのかよ?」
「え?」
「そんな優しくねーよ」
「わっ、花、井っ!」


いきなり、着たばかりのワイシャツを脱がされた。
オレは慌てるだけ。
上半身だけじゃなく、下半身に纏っているズボンも脱がされる。


「は、ない‥ココ部室っ」
「知るかよ、そんなん」
「で、でも誰かっ‥」
「来ねェよ、っつか何があろうと止める気ないから」
「ふぁっ、ぅあっ‥」


欲を主張し始めたオレの分身を、花井は扱き始める。
オレは身をくねらせた。


「は、ないっ‥んぅっ」
「何」
「んっ、やぁっ‥」
「嫌?こんなにして?」


いつもは言わない意地悪な言葉を花井は発する。
いつもは優しくて。
こんな花井は初めてで。


「んっ、花井っ、今っ日、変っ」
「変?オレが?」


花井の手の動きが少し緩んだ。


「お前さ、自分のした事分かってんのか?」
「えっ?」
「オレが何でも許すと思ってんだろ?んな訳ないじゃん」


花井の切ない表情。
胸がぎゅっと痛くなった。


「は、ない‥ごめ‥」
「‥もう止まんない」


花井はそう言いながら
オレの秘部に指を挿れた。


「ふぁっ‥あ!」
「気持ちいい?」
「んっ、んっ‥ぁ」
「中、熱い。」


身体が熱くなる。
花井の指が動く度に
女みたいな声が出てしまう。


「もう、花っ、井」
「もう限界?」
「ん、もっ‥出るっ」
「まだ駄目だ」
「もぅっ、やぁ」


「‥挿れるから」
「ぃやぁっ、あぁあ!」


花井の熱いもので揺さぶられる。
オレの頭は真っ白。


「ん、中、熱っ」
「んっんっ‥花井ぃっ」
「田島っ」
「ご、ごめっ‥ん!」
「田島?」


花井の動きが止まる。


「オレ最悪だっ‥ホントごめん」

涙が溢れた。


「田島‥」
「オレ、花井が他のヤツとキスしてたら、ヤダっ、なのに‥オレ‥」
「‥もう泣くなよ」
「花‥井?」


繋がったまま抱き締められた。
暖かくて優しい。


「‥もう、いいから。泣くな」
「んっ‥ごめ‥」
「オレこそ、ごめん。こんな無理矢理して‥」


花井は俯いた。


「花井、スキ、好き、ごめん」
「田島?」
「オレ、色んな花井が見たくて‥だからあんなことしちった」
「うん」
「でも間違ってた」
「うん」
「優しいのが花井だから‥」
「ん?それは違うな」
「え?」
「オレ怒るよ、今日みたいに」


花井は笑いながら
「これからは田島の悪戯が過ぎないように注意する」
と言った。

その言葉がなんだか花井らしくて
オレは笑ってしまった。


「ちょっ‥笑うなっ」
「へ?なんでー?」
「…中、閉まってイキそうになる‥から」


と真っ赤な顔をして花井は言った。
オレまで赤くなる。


「も、動いていい?」
「んっ、いいよっ」
「やだっつわれても動くけど」
「ふぁ!そんなっ‥いきなりっ」
「うん、お仕置きな」
「おし、おき‥っ?ぁ」
「ん、もうこんなことしないように、身体に教えとかないと」
「ふぁあっ‥ぅあっ」


イイところばかり突かれて
もう限界。
視界が歪む。


「あっあっ‥もぅ、イクっ」
「っ、オレも‥」
「は、ないっ‥」
「田島‥」
「ぅやあぁぁあっ!」
「っ……」


ぎゅっと抱き締められて
オレは達した。
花井もオレの奥で弾ける。

オレは失神した。


失神する瞬間、オレは思った。









花井は怒らせたらコワイ。

―END―





*あとがき*
ハナタジ初裏です。
駄文失礼致します。

お友達サイト様と
花井くんは田島くんに振り回されてるに違いないという話をしまして生まれた話です☆

もっと花井くんを振り回したかったのですが…
不完全燃焼です(TT)


次こそ完全燃焼するぞ!



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