「NO.3」
あれから何度も挫折しそうになりながらも、私は自分の考えた矛盾が、ただ一つを除いて、ただの勘違いなのだと気付かされた。

どうやら、今まで歩いてきた高野はクレーター状になっているようで、大きな砂の波の塊を登ると、それが思いつきではないと確信することとなった。

登った先には草や木が栄え揃い、風も有った。

ただ、全てが枯れ果てて既に生き物として機能している物は無かった。

先に上に放り投げた刀とナイフを探し、手に入れると私はその枯れた土地を進む事にした。
ナイフで印を付けた木が22本目に達した時、少し開けた場所に出た。

  今まで気が付かなかったが、其処にはまた更に腐敗した肉塊が有った。


広場のようなその場所には、兵士のような身なりの肉塊が幾つか点在し、医者や看護師だったであろう死骸が近くのテントの死体に転がっていた。

おそらくは兵士は元々深手を負っていて野垂れ死んだのだろう。
それを意味するかの様に、地面には血を擦ったような跡が幾つも残っていた。
テント下の死体の方は衣服を破った様な形跡はなく、頭部や胸部に複数の穴が開いている事から、銃殺と見て間違いないだろう。

付近には血を吸って錆びついた拳銃やその弾丸が転がっていた。


私はその内の一つと、弾の入った箱を5つカバンに入れて立ち去る事にした。

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