Dreeeeeam! 持ってって何が悪い(慶次) 「んーーっ!いい天気だ!」 晴々晴れ渡る青い空の下で喉元を反らせて大きく伸びた慶次は、腰掛けた岩の上にごろりと寝転がった。 うぅ……と唸ってその隣にいる私は、彼から少しでも離れるべく腰を浮かせる。 「何処いくの。」 「ひゃぎっ?!」 確かに目をつむっていたと確認したのに、着物の袖を掴まれて体制を崩した。 瞬間的に崩れた体制を、腹筋で起き上がった慶次が抱き留める。 ………だけで終わればカッコイイのに! 「ははっ、やっぱりなまえは抱き心地がいいな!」 ぎゅー、っと抱きすくめるだけでは余ってしまう彼の手が、在らぬ方へと伸びてしまう。 「ぎゃあぁっ!離して離してはなして変態っ!」 「照れない照れないー。」 ぐりぐり頭を撫でられたまま、慶次は立ち上がって私を小脇に抱えた。 ……嗚呼、またかっ……!! また、移動される……! 「さぁて、次の町に出発!」 「あっ……あたし、一人で歩けるもんんんっ!!」 巨大な岩の上、抱えられたまま慶次が飛び降りて、私は情けない悲鳴を響き渡らせる。 ………あぁ……涙がたなびいてらぁ…… ++++++ 着地後、ぜーひーぜーひー言いながら、抱えている慶次の腕をポカポカと殴ってみる。 「もぉ、歩けるっ!なんで、持って歩くのぉ!」 「それはなまえが可愛くて、どっかの誰かにかどわかされないよーにだよー。」 よくもこっぱずかしい事をすらすらとっ……! ムカついたので、少し体を伸ばして頬を軽く叩いた。 「あいたっ?!」 持ってって何が悪い ―――平手も愛! ―――取り敢えず離して変態ぃ!! **** 変態連呼しすぎた。反省。 [*前へ][次へ#] |