Dreeeeeam!
気 付 け !(学パロ幸村)
恋する乙女は止まらないのです!
「幸村っ!一緒かえろー!」
「なまえ殿!是非ご一緒に!」
「俺様も良いよー。」
「猿飛、あんたに言ってない。」
「はいはい……」
帰りのお誘いは清々しく元気に交わして1番の印象を。
彼の横にいる猿飛は少々邪険に扱って特別オーラを。
私が彼に一目惚れしてからほぼ毎日繰り返すこの猛烈アピール。
もはや定番と化していて猿飛にも若干飽きられ気味のようだが、私は止める気などさらさらない!
互いに名前で呼び合えるまでに、どれほどの労力と時間を費やした事か!!
だがしかし、哀しいかな。
そうやって積み上げてきた好きな気持ちは、どんなに彼に言っても未だ一言も伝わっていないようなのだ。
今日だって大きな声で伝えてみている。
「幸村、あたし幸村の事好きだからね!」
「もちろん某もなまえ殿の事が好きでござるよ。」
違う、違うの。
初な幸村がすらすらと『好き』なんて言えないのは分かっているから、余計にそれは苦しかった。
そう、毎回好きだと言っても、返ってくるのは友情の『好き』。
所詮私は隣の猿飛と同じにしか映ってないらしい。
――他の女の子には、声を掛けるのさえ恥ずかしがるくせに、何で私はちがうのさ!
むぅ、と膨れてやると、目の前にいる幸村は私の大好きな笑顔を溢れさせるから、
この笑顔が独占出来るから、
友達でいいかな、なんて諦めちゃったり?
「………そんな訳ないじゃない。」
「え……なまえ殿っ??!」
呟く言葉は私自身に向けているのに、幸村は私の好きの言葉が「そんな訳ない」と多大な勘違いをしたらしい。
眉を八の字にしてこちらを見つめていた。
「違うよ、幸村は、ほんとに、大好きなんだよ!」
らしくなくあたふたしてしまいながらも、好きの言葉を贈れる自分に少し呆れる。
だけどそれを聞いた幸村は、本当に嬉しそうで、
……勘違いしてしまいそうだった。
二人と別れた残りの帰り道、
心の中で叫びながら全力ダッシュで駆け抜ける。
気 付 け !
―――旦那……黒すぎるでしょ
―――……何の事だ、佐助?
―――イーエ、ナンデモナイデス……
******
幸村非似\(^O^)/
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