Dreeeeeam!
叱ってしかって(逆トリ小十郎)
やばい。
私、殺される。
++++++++++++
後ろにいるのは、それこそ本職のヤクザも真っ青なくらいに恐ろしい人。
しかもそのお方が最強武器の葱を私の首に突き付けているこの状況!
……殺される!葱で首取られる!!
冷や汗だらだらで固まったなまえに葱を突き付けている張本人は、ドスの効いた声で耳元に囁いた。
あぁっ、こんな状況で、しかもドスが効いてなければ相当に美味しいのに!
「また邪な事考えてたんじゃねぇだろうな、なまえ……。」
「かっ……考えてません!断じて考えてませんんん!!」
こ、心を読まれただとっ……?!
ぶんぶん首を降って否定するももちろん葱は外されないし、若干ピリピリ度合いが増した気までする!
───なんでこうなったかは、遡る事数十分ほど───
++++++
「こじゅー、たっだいまぁあ!」
「……おかえり……。」
キッチンで包丁を握る小十郎に向かって、酷く上機嫌だった私は景気良く部屋に入った。
それもそのはず。
今日は会社のコンパで散々飲んだ後だったからである。
そんな私に向かって、眉間の皺は相変わらずとも彼は手を止めてこちらを向いて返事をしてくれる。
そのままソファーに倒れ込んだ私に水を持って来てくれるあたり、流石保護者だと思った。
「酒臭い!いったいどれだけ呑んだんだ!」
「んへぇ?……んー……わっかんなぁい!」
完全な酔っ払いの私に対して盛大に溜め息をついた小十郎は、その場から立ち上がって洗面所の方へと消えていく。
『あ、なんかトイレ行きたいかも……』
酔っ払いのする事は、誰の想像をも超える。
ふらふらと覚束ない足取りでなまえが向かっていたのは、トイレではなくベランダへの入口だった。
「よいしょー!」
「?!!なまえっ!?」
戻って来た小十郎が見たのは、ベランダの扉を開け放った後、足が縺れて前に倒れんとする私だったらしい。
躓いた私はというと、派手な音を立てて何かを破壊しながらすっ転んだ。
そして酔っ払いの頭で考える事約10秒、破壊した物の存在を知って酔いは一気に醒めていった。
目の前にあるのは、私によって完膚無きまでに荒らされた、小十郎の家庭菜園だったのだ。
「大丈夫か!なまえ…………。っ!??」
「ひっ……!だ、大丈夫です大丈夫です!!ぎゃああぁぁあゴメンナサイぃぃいい!!!」
最初こそ大慌てで私の心配をしながら駆け寄ってきた小十郎だったが、畑の惨状を目の当たりにして表情が変わる。
恐すぎる!殺される!
と悲鳴の勢いで謝ったものの、冒頭の葱に話が戻るのである。
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「……どう責任取るつもりだ、あ゙ぁ?」
「ふぇっ……こ、今度の休みに一緒に直しますぅ!」
「"一緒に"??」
「わ、私一人でやりますご指導下さいっ!!!」
完全に脅迫だ!
と完全に泣きが入った声で無理な約束を取り付けられると、ようやく首から葱が離れていった。
へたん、とその場に崩れて若干鼻を啜っていると、冷たいタオルが目にあたる。
「……言い過ぎたと後悔はしてねぇが……直す時は手伝う。」
「ぐす……こじゅありがとおおぉお……」
ぐい、と首にしがみついたら、酒臭いから寄るなと言われた。
ちょっと傷付く!
叱ってしかって
―――あっ、足痛い!
―――血ぃ出てんじゃねぇか、この馬鹿!
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こじゅに叱られたい(^q^)←
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