Dreeeeeam!
それは本能(残念政宗)
「何して欲しいんですか?」
「Honeyが望む事なら!」
「………理解不能です、無理。」
私に馬乗りになりながらそう言った政宗は、若干頬を染めてそう叫んだ。
いつも表情が薄い、と言われる私が、頬を引き攣らせないように我慢している必死さを、少しは理解して欲しい。
この残念な程壊れた頭さえ無ければ奥州の頂点に立つ立派なお人。
武力、人望、果ては容姿まで文句なしなのに、彼はそれを完全に棒に振るっていた。
そんな彼に、少なからず惚れた私もcrazy!
今日はひがな城の中をごろごろとしていた政宗に呼ばれ、彼の自室へ入ればいきなり勝負を仕掛けられた。
狐拳という……じゃんけんのようなもの。
不意の襲撃とはいえ、負けてしまったからと罰ゲームを宣告された……というこの状況なのだが、私は彼が課した罰に困らせられていた。
…俺にしたいことをしろ、と言う。
あくまで、『俺の』では無かった事に胸を撫で下ろす。
馬乗りでそんな事言われたら、貞操の危機だろう。政宗は制止を聞かない。全く。
「そうですね……。取り敢えず離れて頂けますか?」
「That's impossible.コレは俺の為のLittle罰gameだからな!」
「………罰が二つとは聞き及んでおりませんよ。」
上に乗ったまま体を折って顔を寄せて来た為に、異常な程距離が近い。
勤めて無表情を保っていたら、その距離は、そのまま無くなった。
目尻に落とされた口付けに、耳に届いた小さいリップ音。
無表情も限界だ。
顔に血が集まって来たのが分かる。
「ま、まっ……ま、さむっ……!!」
「HAHAHA!OK!やっと仮面が取れた!」
漸く私の上から降りた政宗がニヤニヤと笑う。
目的は、コレだったのか。
「は、恥ずかしい事を!」
「ほー、そんな顔も出来んのか。」
「……っもう政宗なんか嫌いです……!」
たっ、と走り出して部屋から飛び出す。
そのまま目尻をぐいっと拭った。
それは本能
───残念な頭の癖に!こうした所だけ男前!
10,08,22〜11,02,01
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