Dreeeeeam! ジェスチャー(小太郎微※)過去拍手 彼に声はない。 その所作で全てを伝え、語る。 しかし、一つだけ。 私には理解出来ない事があった。 『……どうして皆、小太郎の言いたい事が分かるのかな……。。。』 肘置きの上に頬杖をつきながら、氏政と話している小太郎の動きを見つめてみた。 その身振りから何かを読み、仕切に頷く氏政が不思議でならない。 多分私は一度たりとも真意を読み取れた事はないだろうな、なんて考えた。 初めて小太郎から話しかけてきた時は全く話が通じず、通り掛かった五本槍が会話していたし。 それからもちょくちょく話しかけられたけれど、最近は向こうも私が理解出来ないと学習したのか、話しかける事も無くなった。 何より、話が擦れ違う時に私が煩いのも気に入らないらしい。 『それ、結構寂しいんだよね……』 伝説と呼ばれている彼の事は、それはそれは沢山な逸話と共に知る事が出来た。 けど、目の前に存在する彼自身から話を聞いてみたい。 そんな事を考えてふと気が付いたら、真っ正面至近距離に小太郎はいた。 「わっ……?!」 「……(チョイチョイ)」 どうやら氏政との話は終わったらしく、まず私にも分かる、ごくごく一般的な『おいでおいで』のジェスチャー。 呼ばれたのは本当に久しぶりで、近寄る足取りも軽かった。 だけど悲しい事に、次から始まったジェスチャー群に私は固まる。 流れるように空に滑る指はもはや芸術作品であって、会話ツールには見えないのだ。 「えっ……?何?お菓子?!」 「………っ!(フルフル)」 私の言葉が発せられる度に、赤い髪を揺らして首を横に振っているのだけど、ちょっと可哀相な位の頻度である。 徐々にに小太郎の表示にいらつきが目立ってきた。 「う、わ、分かんないよおぉ!頼みたい事があったら五本槍にでも!……」 続く筈だった『……言って。』の言葉は、不自然な形で途切れた。 それもそう。 小太郎が口をもってして、私の口を塞いでいた。 ご丁寧に侵入まで果たしてくれる上、長い口付けに息が続かない。 漸く解放されてから、その行動の意を理解する。 「………それは……っ」 ジェスチャー ―――『黙ってろ』って事……? ―――………。(コクコク) ―――だからってあんな……!! ******** 10,01/17〜10,06/24の拍手でした [*前へ][次へ#] |