クッキーと暗殺部隊
と言うわけで始まった女子会(しかし女は私だけ)。周囲をヤバイ人たちに囲まれて、はじめはビクビクしていたが、紅茶とクッキーのあまりの美味しさに今では顔がにやけるまでリラックスしている。
「このティーカップ、あなたのお父様がデザインしたのよ〜んもう素敵よねえ」
『えっそうなんですか!?何か本当至るとこにお父さんのデザインあるんだな』
「まあそりゃボンゴレ御用達のデザイナーだからな」
「デーチモがごり押ししてんですよー」
デーチモ?と首を傾げたら、お前そんなこともわかんねーでボンゴレにいんのかよ、という顔で沢田さんの事だとベルさんが教えてくれた。
ちなみに王子さんという呼び方は、さっき行った自己紹介の際に、頭の隅にフランくんの堕王子がチラついてバカにしてるみたいだからやめろ、とナイフをチラつかせながら言われたので即行やめました。
『へー沢田さんいろいろ呼び方あるんですね』
「ま、あれでもボンゴレの頭だからな。俺は認めてねーけど」
「じゃなきゃ今は亡き9代目直属なんて反抗的なことしませんよねー」
『そう言えば、皆さんもボンゴレなんですか?山本さんが何か言ってた気もしますけど』
「ししっ俺たちヴァリアーは9代目直属独立暗殺部隊、ちょーエリートなの」
「入隊試験がすっごく厳しいのよ〜」
『へえ…だから皆さんあんな神業みたいなことでき…ええええええ!?』
今この人なんつった?暗殺部隊って言った!?
殺し屋かよ!と思わず心の中で叫びながら、顔面蒼白の私はイスごと後ろの壁まで後ずさった。
「ちょっと何してんですかー頭おかしいんですかー?」
『いやいやだってあなた達暗殺部隊ってちょっと!!こんな気軽に遊びに来るとこじゃないよね普通!?』
ちょっと山本さん!あなた何てとこに私を派遣してんですか!ふざけんなよ。
涙目になりながら、誰か迎えに来るか送り返してくれるのを願った。あんなに嫌だった広くて豪華なボンゴレアジトも、今では恋しく思えた。
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