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オカマとカエル


「うわー堕王子が朝から女連れ込んでるー」


「あら〜ベルちゃんその子だあれ…ってあらあら?」


廊下で、すごい人たちに会いました。え、何がすごいかって?見た目がだよ!
だってカエルとオカ…お姉さまだよ!!
ずいっと顔を近づけてきたオカmお姉さまにビビって、思わず王子さんの後ろに隠れた。


「フランテメー串刺しにすんぞ」


「えー本当のこと言っただけじゃないですかーていうかついにロリコンに目覚めやがったか堕王子」


「ぶっ殺す」


『ぎゃああ危なっ王子さん危ない!!』


光の速さでカエルさんにナイフを投げた王子さん。ところがカエルさんも光の速さでナイフを避けてて、もうこの人たち人間超えてる…と思いきや、廊下の彼方に飛んでく予定だったナイフがUターンして戻ってきてる!しかもカエルさん避けやがった!


『え、ちょっ待っ…刺さるコレ!ちょ、ぎゃあああ…あれ?』


真っ直ぐに自分に向かって飛んできたナイフを避けるほどの運動神経はなく、涙目になりながらとりあえず頭だけ守ろうと手で頭を覆ったが、いつまで経っても来るだろう痛みは来ない。
ふっと顔を上げると、すぐ手前に王子さんがいた。


「バッカフランテメー避けてんじゃねーよ!!そんでお前も避けろよ!」


『いや無理に決まってんだろ!!私人並みしか運動神経ないんですよ!?』


「ミーだって痛いの嫌ですー。つーかあのショボ技が避けられないとかどんな運動神経してんですかー」


『え?何コレ避けれるのが当たり前なの!?私が普通じゃないの!?』


「はいストップよー!!」


パンパンと手を叩きながら話に割り込んできたおか…お姉さまが、私の肩に手を置いた。


「あなた!噂のミスター名字の娘の名前ちゃんでしょ!?」


『…そうですけど』


「やっぱり!二人とも、この子をボンゴレで預かるにあたって出された命令、覚えてるわよね?」


「…殺さない」


「いじめない」


「そうでしょ!?全く、今この子の眉間にざっくりいってたら大変なことになったわよ」


殺さないいじめないって何それ!?命令されなかったら殺されてたの私!?


「いやでも今のは避けなかったコイツが…何お前その顔」


『…王子さん命令がなかったら私のこと殺してたんですか』


あくまで私に非があるみたいな言い方をする王子さんをジト目で見てそう聞けば、何言ってんのコイツという顔をされた。


「殺すわけねーじゃん。だってお前俺のおもちゃだもん」


『じゃあもうちょっと大事に扱えよ!こちとら壊れやすいおもちゃなんだよ!』


「あ、先輩のおもちゃっていうのは認めるんですねー」


いや認めてないけど。でも下手に出ないと後が怖そうだし…王子さんめんどくさいし、という意を込めてカエルさんを見れば、わかるわかるーと頷いてくれた。通じたよすげー!!


「ししっホントお前飽きない。おもしれーおもちゃ」


何が面白いのかわかんないけど、とりあえず機嫌は損ねていないみたいで、ほっとした。王子さんにもの申すのもいちいち緊張して心臓に悪い。


「ホント!面白い子だわ〜!!アタシたちヴァリアーに生意気な口聞けるなんて、アタシ気に入っちゃったわ」


『はあ…ありがとうございます』


「ボスが許したのも頷けるわ。ねえあなた、ガールズトークしながらお茶しない?」


「ダーメ。コイツは今から俺と遊ぶの。つかお前男じゃん」


「あらじゃあベルちゃんも一緒にお茶しましょう!今日ちょうどあなたのお気に入りのクッキーが入ったのよ」


「マジ!?ボスに食われる前に食わねーと。つーことだから、行くぜおもちゃ」


『せめて名前で呼んで下さい』


「ほらフランちゃんも行くわよ!」


「うっわめんどくさいことに巻き込まれた」



あきゅろす。
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