涙と普通の反応
ジワリ。
恐怖のあまり、視界が滲んでいく。
「は?え…何お前どうした」
振り返った私の顔を見るなり、王子さんはぎょっとして、何故だか焦りだした。
しかし今の私はそれにツッコミを入れられるほど、冷静ではない訳で。とにかく必死だった。生きるために。
『王子さんごめんなさいごめんなさいマジですんません』
「や、だからいきなり何なのお前」
『王子さんと遊ぶから…殺さないで下さいいい!』
「「……」」
王子さんに泣きつく私を、王子さんとスクアーロさんは生暖かい目で見ていた。
「…アレだな。これが普通の反応だよな」
何を思ったのか知らないが、なぜかスクアーロさんは感動していた。
しばらくポカンとしていた王子さんだったが、ちゃっかり王子さんの服で涙を拭う私を見て、何故だか機嫌を良くしたらしく口元に笑みを浮かべた。
どこに気を良くする要素があったんだ。むしろキレるとこだろ。
「ししっ何だよお前、生意気なガキんちょかと思ったら意外にかわいいとこあんじゃん〜」
『地味に失礼なんですけど』
「今回は仕方なく許してやるよ。とりあえず遊ぼーぜー」
『うわっ上から目線…嘘です光栄ですありがたき幸せ!』
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