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登校と嵐の人


いつもと変わらぬ爽やかな月曜日の朝。
今日からまた始まる5日間に嫌そうな顔をしながら校門をくぐる生徒たち。
ただ一ついつもと違ったことと言えば、その校門の前に黒塗りの大きなベンツが止まったことだ。
何事だと生徒たちが足を止めて見る中、運転席からスーツにサングラスの長身の男が出てきて、後部座席のドアを開けた。



「目的地に到着いたしました」


「ご苦労さん。オラ行くぞ」


開かれた車から降り立ったのは、銀髪に緑色の目の、整頓な顔立ちの男と、この学校の制服を来た、こちらは日本人の少女だった。



「こちらお荷物です」


「あぁ」


「では、お気をつけていってらっしゃいませ」


『いや何でだよ!!』


今まで一言も話さなかった少女が今日初めて発した言葉がこれだった。


「朝っぱらからうっせーんだよ!!」


『痛ああ!!ぶたなくてもいいじゃないですか!てか鞄返してください自分で持てるんで』


「俺だって10代目直々にお願いされなきゃこんなことしねーよ」


『じゃあしなくていいです。私こんな注目浴びながら登校したくないんで』


そんな会話をうだうだしながら歩いていたら、あっという間に昇降口に到着した。



「ホラよ鞄。帰りもまた迎えが来っから大人しく待ってろよ」


『嫌です。歩いて帰ります』


「んだと!?わざわざ送り迎えしてやるんだからむしろ感謝しやがれ!!」


『えー…』


何でこうなってしまったのだろうか。先週の金曜まで普通に登下校していたはずなのに…
背中に獄寺さんの視線が突き刺さるのを感じながら小さくため息をつくと、靴を履きかえるべく昇降口の中へと足を進めた。



あきゅろす。
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