お説教と夕食
毎度恒例、お説教タイムin夕食がやってきました。
今回は、始まるや否や獄寺さんが口を開いた。
「こんのバカ!次あんなマネしたら絶対ェ果たすからなクソガキ!!」
「まあ獄寺おちつけって!」
『そうだよ獄寺さん(笑)それに女の子達も獄寺さん(笑)カッコ良かったから許すって言ってたし!』
いやーイケメンは得ですねー、と笑顔で言ってやったら今度こそ頭を叩かれた。地味に痛い。
『そういえば、何で沢田さん私の居場所がわかったんですか?』
「沢田は極限超直感があるんだぞ!」
『極限超直感?』
「あーえっと…俺の勘ってよく当たるんだ!!」
『へー…』
沢田さんは何かを隠している?みたいだったけれど、下手に詮索するのはやめておこう。何か怖いし。
「てか名前ちゃん、獄寺くんの後ろに(笑)つけるの止めようね?」
獄寺さんを庇ってゴホンと咳払いした沢田さんは、じゃあ本題に戻るけど、と切り出した。
「何で逃げたりしたの?」
『だって…』
「ここはそんなに居心地悪い?」
『そういうわけじゃ…!』
一度は顔をあげたものの、沢田さん含むみんなの視線に威圧感を感じ、私はまたゆるゆると視線落とした。
『…沢田さん達は私に良くしてくれるし、ご飯も美味しいし、何も不自由してません(むしろ贅沢すぎる)。ただ…』
「ただ?」
『あの、何て言うか…普通じゃないって言うのが何か嫌かな…みたいな?』
「はっきりしなよ」
だってはっきり帰りたいって言ったってあなた達帰してくれないでしょうが!
内心そう思っていると、沢田さんがため息をついた。
「うん。まあ確かに帰さないけどね」
『心読まないで下さい!!』
何この人!?心読めるとか怖っ!!
そう思っていると、沢田さんが苦笑いしてこちらに近づいてきた。
「名前ちゃん、よく聞いて?」
『…はい』
「俺達は一般とは違う生活をしてる。ほら、こんな職業だしさ。名前ちゃんの言う普通って言うのもわかるんだけども、俺達が今さらそういう生活に戻るわけにもいかないんだ」
『戻る…?』
「オイ、ツナ」
リボーン君の声に、沢田さんはそちらを一瞥して、再び私と向き合った。
目だけで会話したらしい…すごいなこの人達。
「…とにかく、名前ちゃんには申し訳ないけどこの生活に慣れてもらうしかないかな。俺達も極力名前が普通に近い生活を送れるよう努力するからさ」
『帰るという選択肢はないんですか』
「いつか帰してあげるから」
いつかっていつですか…。まあ良いけどね。いつか自力で帰ってやるから!
「でもまた逃げるって言うなら誰か見張りが欲しいよね?」
『え』
「誰が良いかな?怖い人とか?」
『全力でいらないんだけど!?』
「ははっ冗談だよ」
いやいや、あなた目がマジですよ!?
とりあえず私は沢田さんの視線から逃げるように、今日の夕食を黙々と食べた。
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