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下校と再び嵐の人


放課後、帰り支度をしているとクラスメイトが窓に集まりある一点を指差したりしているのが目に止まった。何やってんだろ…と思ったのも束の間、友人に引っ張られ気づけば窓の野次馬の一人になっていた。
そして皆が指差す先を見て、見なきゃよかったと後悔した。


「ねえ名前、あれ…」


『言うな!頼むから何も言うなああああ!!』


「あ!ちょっと、名前!!」


制止の声も聞かずに私は鞄を掴むと教室から飛び出した。
そう、完全に忘れてた!!私の帰るところは奴等のところだと言うことを!!
すっかり忘れてみんなと談笑していたあの昼休みに戻りたい。いやマジで!!

皆が指差す先に停まっていたのは、もちろんボンゴレの黒いベンツ。恐らくあの中には獄寺さんとかがいて、私をあの秘密基地に連れ戻す気なんだ!
100歩譲ってそこに帰るのは(本当は嫌だけど)いいとして、こんな注目されながらあの車に乗り込むなんて絶対嫌だ!何とかして逃げなければ!


とりあえず昇降口まで来たのだが、入り口の柱に寄りかかり待ち伏せしている獄寺さんを見つけた瞬間私はUターンをした。
んなバカな!!これじゃ外に出られない!!
あわあわしていると背後から黒い影がかかった。


「何やってんだテメーは。とっとと帰るぞ」


『…あっはっは』


ノオォォォ!!光の速さで見つかったああ!何故?獄寺さんからは私の姿は見えなかったはずなのに!


『…何で私がここで人生の選択を強いられてるってわかったんですか』


「気配くらい読めねーとマフィアなんてやってらんねーよ。それに…」


私からひょいっと鞄を奪った獄寺さんは、次にスーツのポケットから何かを取り出した。


「お前が逃げることを見越して、鞄にGPSつけといた」


そんなのアリ!?


獄寺さんの手には現在地が赤く点滅しているレーダーが握られていた。

その後、抵抗するも虚しく、車まで引きずられて無理やり後部座席へと押し込められて、結局注目を浴びて帰るはめになった。



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