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依頼内容は、依頼者のウサギを探してくれ。というものだった。


確かに、今までも同じ仕事をした事は数えきれない程ある。その度に、誰が捜すか決めるほどに





「気にいらねぇな、」

「何がですか?」



銀時の言葉に新八は返した。



「この依頼がだ」

「ああ。確かに、今まで指名なんてされた事ありませんしね」

「それだけじゃねえ…」


銀時は、暗くなってきた空を見ながら



「今まで名前を仕事にだした事なんざ一度もねぇ」




新八は、何かにはじかれたように顔を銀時に向けた。その顔色は驚きに変わっている




依頼の紙をしまった後、面倒だと口にして万事からでていった名前は数時間たった今も何の連絡すらない。



子供じゃないのは分かってる。昔から、あいつに対して妙に過保護なのは自覚しているつもりだ。だからこそ不安が大きくなる。






「まるで名前は揚羽蝶みたいだ」



古い記憶の中、誰かがそう言っていた。
そしてあいつは小さく笑って





「よく言われる」






「っ、考えすぎであってほしいぜ」





銀時の願いは、誰に届くことなくこの真っ暗闇の江戸の風に消えた。









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