捧
誘惑に負けました/ソウマカ/伊世様
「ねーソウル、ピアノ弾いてよ」
「は?弾かねえよ。…いきなりどうした?」
予定のない休日。
何をするでもなく過ごしていれば、突拍子もなくそんな要求をされ。
良い事でもあったのか、マカはやたらニコニコしてる。
「なんかね、クローゼット整理してたら、アルバムが沢山出てきたの!ほら見て、入学式のときのソウル!若いなー」
「俺は年寄りか」
「…ほら、この頃だったじゃん。ソウルが初めてピアノ聴かせてくれたの」
「……まあ」
「懐かしくなっちゃって。弾いて?」
「弾ーかーなーいー」
「弾けー」
「弾かなーい」
「ケチー!ケチソウルー」
「ケチで結構」
途端、目の前の表情はムスッとしたものに変わる。
ああほら、ほっぺ膨らませちゃって。(可愛いじゃねーかアホ、)
それでもなおマカの“ピアノ弾けコール”は止まらない。
終いにはベシベシ叩きはじめてきた。
流石に、ちょっと虐めすぎたか?
「ったく…」
「弾いてくれんの?」
「いんや。…変わりにバイク出してどっか連れてってやるよ。行きたい店あるとか言ってたろ」
えー、ってブーイングが飛んできた。
「そういう問題じゃないのに」
「弾きたくないモンは弾きたくないの。ほら、今この時点で妥協すんならケーキ奢ってやるぞ」
「うっ…」
「新しい喫茶店できたんだと」
「…っ!!!!!」
「ごー、よーん、さーん、にー、」
「す、ストップ!」
誘惑に負けました
(じゃあさ、喫茶店の次に楽器屋さん行ってピアノ弾いて?)
(お前なぁ…)
リクエストありがとうございました!
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