捧
諦められなくなった/キッド夢/55000/柚夜様
好き、なのにな。
なんだか遠いよ、キッド。
死武専のベランダからぼーっと空を眺めて物思いにふける。
もういっそ、あの空に溶けてしまいたい。
思い出すのはキッドが唐突に入学してきたあの日。
ブラック☆スターとソウルの2人を相手に余裕を見せて戦う姿に、なんていうか、乙女心にズッギューンなんてきた。(あれがいわゆる一目惚れってやつか、)
クラスも一緒。
席だって、近い。
けど遠いんだ。
格が違うっていうか。
キッドは死神様、私は成績中の上。
同じ一つ星ランクでも、違い過ぎる。
「もう諦めた方が良いのかな…」
「何をだ?」
「何って、…っキッド!?」
「ど、どうしたそんなに驚いて」
今まさに、あなたのことで悶々としてたのです。
なーんて正直に言えるはずもなく。
「悩みでもあるのか?さっきからひとりで考え事でもしているようだが」
「あーいやー、そのー…」
冷や汗たらたら。
「諦めるとか呟いていなかったか?」
「うん、まあ…、どうしようかなぁとは」
「………」
「き、キッド?」
「…よく考えてのことなら無理には引き止めないが、少しでも希望があるなら大事にした方がいいぞ」
諦められなくなった
(頑張れよ、ななし)
(複雑…)
リクエストありがとうございました!
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