[携帯モード] [URL送信]


ああ、とどめの一撃/ソウル夢/由宇様




音もなく、静かに。
私の背中はゆっくりと壁に押し付けられて、唇は塞がれた。

驚いて目の前の肩を押し返せば、意外にあっさりと彼は身を引く。
けれど、その代わりとでも言わんばかりに抱きしめられて。


「そ、ソウル…?」


熱い。
重なった唇が、掴まれた手首が。
無機質な壁に密着する背中すら熱い。

“好きだ”

小さくその声が響く。
それに対してどう返事をすればわからずに。私は、ひとり動転。


すき、って、


「ななし」


真っ直ぐな赤い瞳に吸い込まれるような錯覚。
反則だよ、そんな真剣な表情。

バクバク心臓が騒がしくって。(ってか、)(いきなりキスしといて今更なに言ってんの、)


こんな状況で。

しかも、君に。ソウルに。


そんなこと言われて「私は嫌い」だなんて、思うはずがないじゃんか。


「ななし、愛してる」



ああ、とどめの一撃




素直な捻くれ者が愛しくて憎い、


リクエストありがとうございました!

[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!