ノマカプ
引き裂かれたアイラブユー/ソウマカ
…どうしよう。
いやもう本気でどうすりゃいいの!
普段は勉強道具と財布と生徒手帳くらいしか入ってないカバンに、今日はプラスα。
カバンのチャックの隙間から中を覗けば、間違いなくそれは存在して。
「どうしよう…」
「何が?」
「何って…。ラブレ…、そ、ソウル!?」
「なんだよ、ラブレって」
びっくりした。(相当ぼーっとしてたんだな私、)(…気をつけよう)
ふと隣を見遣ればいつの間にかソウルがいて。
なんか渋い表情してて。
「…あ、何か隠してんだろ。見せろっ」
「ダメ!」
「見せろ!」
「ダメ!」
「見せろ!」
「ダメ!」
キリが無い!
避けても避けてもソウルがしつこいから、マカチョップをひとつ。
でも、まあ…。相談してみようかな。
「……ってぇな…」
「ねえソウル」
カバンから、白い封筒を出して渡した。
「なんだよ、これ。…マカ=アルバーン様……お前宛てじゃねえか」
「うん。…その、ら、ラブレター…貰った」
「……ラブレター!?」
は、恥ずかしい…!
私の顔よ、これ以上赤くならないで。
「断ろうとは思うんだけど…。ど、どうすれば良いのか、わからな、…ソウル?」
ビリッ、て。
何かを裂く音。
何かを裂く…、って、
「ちょっと、何して、」
はらはらと落ちていく白いカケラは雪じゃなくて、さっきまでラブレターだった紙屑。
「いらねーなら捨てろ。ってか、…なんかムカついた」
「はぁ?ムカついたって、」
「何でも良いだろ、とりあえず無かったことにしろ!」
引き裂かれたアイラブユー
お前に1番最初に好きって言うのは俺なんだよバカ
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