ノマカプ
さよなら/黒椿←ソウル
どうして好きになってしまったんだろう。
どうして愛してしまったんだろう。
叶わぬ恋と、解っているのに。
彼女にはアイツしか見えてなくて、俺には手の届かない相思相愛の世界にいて、嫉妬の渦でもがく俺とは正反対に輝いてて。
「なぁ椿、」
「あ、ソウル君。どうしたの?」
「…いや、何でもねぇ」
無意味に声かけて。
何を話すことも出来ず突っぱねて、これじゃまるでただの馬鹿だ。(いや実際馬鹿だけど、)
「ほんとに?何か用事とかあったんじゃない?」
頼むから。
いっそ突き放してくれ。
「…ソウル君、大丈夫?なんだか顔色が悪いみたいだけど……」
「大丈夫だっての。マジで何でも…」
“椿!”
俺を遮るように、アイツの声が響く。
「ほら、呼んでるぜ。さっさと行けよ」
「う、うん…。何かあったら言ってね?」
走り去っていく。
行くな、待ってくれよ、行くな、
さよなら
…って、言えるほど強くねぇんだよ
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