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TF

車は車だ。
そう、これが英語でいうところの不変の心理であり、今までもこれからも変わるはずのなかった私を含めた世界の現実だったはずだ。
そう、つい3分前もない近況の過去、いつもどうり、相棒のジョニーと素振りをしていた時。までの現実。
つまり、今は車は車だけではない。
まぁ、そこまでの結果だけならならば私がここまで困る事になることにもならなかっただろうが、ここで、ある一つ疑問が這い出てきたのが厄介だった。
「はたして、現実と不変の心理の違いってなんだろうか。」
「えっ。」奇妙な質問を見たのは、車は車だけではない車たちだった。

回るんだ
飛ぶんだ
笑うんだ
(そんなロボットと野球少女の話)
「あ。なんか、すみませんでした。まぁ、とても、なんというかミラクルな変身直後に?」
「棒読みなセリフと疑問符、あと、無表情を叩き直してから出直しとこような、お嬢ちゃん。」
「そりゃ手厳しいなぁ〜。頑張ります。」
今、私は車ならざる車。通称オートボットという他の星からやって来た車的ロボット的知的な生命体たちに捕獲され、長い荒野を爆走していた。ノリのいいポップスを聞きながら。
「なんだそりゃ。普通なんか言い返すところじゃねぇのかここは?」
私を変な嬢ちゃんだ。と言いながら笑う銀の車の彼は、ジャズ。という名前でオートボットたちの副官らしい。私は今、彼の車モードに乗り込ませてもらっている。
何故、私が彼らに捕獲されたかというと、
「待てそこのクソソルティス。大人しくその野球娘を引き渡せ!!」まぁ、端的にいうと私が絶賛逃走中であるから。
「お〜ぉ〜、ディセップは品がねぇなぁ。」
「んだと、このミニマムチョロQが!」
「上等だ!帰って糞して寝てなディセップ野郎が!」
「流されてますよジャズさん。」っは、冗談だよ、嬢ちゃん。と笑うジャズさんは、私を乗せて逃げているのに、フフンと鼻で笑い出しそうだった。
結構、余裕綽々な彼に対して一番気になっていた質問をしてみる。
「というか。何で私がディセプティコンの方々に追われてるんでしょうか、ジャズさん。」
さぁ。と気の抜ける緩い返事が返ってくると、黄色い影が横に走ってきた。
スピーカーから歌うような言葉が紡がれた。
「゛奴はとんでもない物を盗んで行きました゛゛大切な物なの〜゛゛何だか全然わかんねぇケドさ゛」
「蜂さん。何だか分かんない大切な物って、心辺りが全く無いのですが。」
なんと。賢いロボットでもか弱い少女が凶暴ロボに追われている理由が分からないときた。こりゃか弱い少女Aになんかとても理解不能だ。
「゛でも奴らはやって来て゛゛君を狙ってるのだ゛゛dash!dash!゛」
「何だかご迷惑かけて申し訳ないです、はい。」
陽気な声にフヘッと気持ち笑いながらもなんとなく申し訳なくて誤った。ユルユルな空気が流れるなかコラ。と戒めるようなオカンな掛け声がする。
「和み過ぎだろ、お前ら。敵さん後ろに引っ付いてんだぜ。」
「゛そ〜れ〜は〜jealousy〜♪゛」
「羽もぐぞ蜂。」
プップー。とけたたましくクラクションが横から絶え間なく聞こえた。抗議のツールなんだろうか。そして、羽はいずこに。
場違いなことを考えていると見透かしたようにジャズさんに、あのなぁ。と呆れ気味に呼びかけられた。
「本当に心辺りないのか嬢ちゃん。」
「1ミクロンも無いですねぇ。何故なら私は一般ピープル代表だから。」
「訳がわからん。」
分からなくて残念。と笑っていると。六甲おろしが車内に鳴り響いた。自分の着メロだ。ジャズさんの流していた洒落た曲がまたもや止まったが、今は六甲おろしの発信元に手を伸ばす。
「おやまぁ。」
「どうした。」
「いやそれがですねぇ。最近イタズラした難解そうなパスワードが当たっちゃったらしくて、今しがた自分の携帯にウイルスがおくられたダケです。」
「はぁ。」
ため息ではなく、不思議で不思議でたまらないパァドゥン。的な発音のご希望に添える。
「いや、先日雨だったし暇だったしでパソコン弄ってたんですがね。そうだ変なサイト探そう、そうしよう。と思い立って、早速探してみると物々しい真っ黒の掲示板がありまして、お前ら地球人は滅ぶ。って書いてあったんですよ。あ、何だコイツ宇宙人か。と思ったんでどうにかおちょくれないかな〜。と思いまして、サイト内の厳重そうなパスワードといてやれ☆と10分で適当に解いてみたらあら不思議。」
今に至るわけです。カチカチ携帯のウイルスを消し終わりながら説明も終わると変な沈黙がはしったのでジャズ達に声をかける。
「お分かり頂けましたか。」
「あぁ、分かったよ。」

その正体は歌舞伎もの。
(「お前が人類の変人代表で、心辺り有りまくりにより今から俺に殴られる。ということだけな。」「何故にwhy?!」「分からんなら、殴り追加。あ〜逃げよ。」)







あきゅろす。
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