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resemblance
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「帰れ」

「貴方の首を持って帰らねばなりません」

「言っているだろう、俺じゃない」

「百年眠ってたんですもんね」

「疑ってるのか」

それはどうだろうとジャーファルは思う。

人を殺したことと、百年眠っていたこと、疑うならどちらだろう、とジャーファルは考えた。

普段なら後者だ。

ただ、目の前の男は見た目人間にしか見えないが、人ならざる動きを持っている。

その動きは強さを表し、殺していないとジャーファルに弁解する理由も失われる上、そう言った彼のどこにも、嘘を吐いている空気はなかった。

「あ」

ジャーファルはそこで、さっき階段で覚えた違和感を思い出す。

その時は何のための違和感か分からなかったが、今思えば、階段にも他の場所と同じだけ埃が溜まっていたのだ。

唯一、ジャーファルが上った時に付けた足跡だけが、今も残っている。

随分長い間人がその場所を踏んだ形跡がなかった。

それなのに、二階から物音がすることが違和感を生んだのだ。

見たところ、二階に上がる階段はあれひとつ。

そもそも、自らが請け負ったのは魔物退治であり、人とは異なる理の中で生きる者に百年眠る不自然さを訴えることはできない。

「…階段を使っている形跡はありませんでした」

「そりゃそうだ。納得頂けたのなら帰りたまえ」

「本当に、百年ずっと寝ていたのですか」

「そうだと言っているだろう。起きていると腹が減る。今もな。食われたくなければ出ていけ」

「人を、」

食べるのか、と言葉には出来なかった。

聞かずとも答えは出ている。

しかし、シンドバッドは、捕食を拒絶し、だからこそ、さっきの眸なのだ。

飢えが、捕食を強く切望させ、それを抑え込み、今も耐えている。

分かっていながら、それでもジャーファルの足は扉に向かう気配を見せなかった。



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あきゅろす。
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