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浮気平凡


放課後、部活をしている人達を1人教室で眺めながらため息をつく。


俺の名前は平岡宏光。何故1人で教室にいるのかというと、朝に今日一緒に帰ろうと言った奴がいないからである。


奴とは杉原太陽、俺の彼氏で頭よし顔よし運動神経よしといった完璧人間でそれはそれはモテる。


なので今日もどっかの美人に誘われ俺との約束を無視したんだろう。
俺は平凡であいつとはつりあわない。




だけど、優しくて俺が困ってる時に毎回助けてくれるあいつが大好きで告白したんだ。
まさかOKもらえるとは思わなかったからその場で号泣してしまった。あいつはオロオロしてたけど優しく抱き締めてくれた。




最初は優しくてこんなに幸せでいいのかと思ったけど1ヶ月くらいたってからあいつは浮気しはじめた。それを知ったとき悲しくて家でずっと泣いた。




俺は問い詰めることができなかった。
あいつから好きなんて言われたことがなかったから。
問い詰めたら別れようって言われそうで怖かった。




でももうおしまいにしてあげなきゃ。これまでの浮気は別れたくてしたことだと思うから。




いつもは家でこっそり泣くけど、もうこれで終わりなんだと思うと悲しくて教室で涙をながした。








次の日の放課後俺は、女と腕を組んで歩くあいつを呼び止めた。


「あの、ちょっとだけ時間いいかな?」


「ん?何?珍しいね」




奴はそう言うと女に帰ってくれる?といい、俺の方に向かってきた。




「ちょっと太陽!今日は一緒にいてくれるって言ったじゃん!」




女の言葉にズキッと胸が痛む。俺との約束は無視するくせに。
なんて、終わりにすると決めたくせに泣きそうになる。




「言ってないし今日は無理。早く帰って」




奴は怒り気味で言い放った。太陽はあまり怒らないから、少し怖かった。女も傷ついた顔をしながら最低とつぶやき去っていった。


「で?何かな?なんか久しぶりだね。」


「あ、あのえっと、」




やばい泣きそうだ。でもちゃんと言わないと。




「わ、別れよ。」




「絶対嫌だ。」




、、、え?




「ど、どーして?なんでそんなこと言うの?」


俺は耐え切れなかった涙を流した。




「ひどいよ!太陽は俺のことなんか好きじゃないくせに!せっかくわ、別れようって思えたのに!最低だよ!」




泣きながら今までの溜まったストレスや、なんかが一気に溢れたみたいに責める。


奴は目を見開き焦ったように俺を抱きしめた。




「いやだ!離して!」


「ごめん!ごめんごめん!!本当にごめん」




暴れるけど奴は力強く抱きしめ、俺は抵抗をやめた。それと同時に俺を壊れ物を扱うように優しく抱きしめる。




「本当にごめんね。ヒロは俺に何も言わないから何しても俺に合わせるから何でもいいからヒロの意見を言ってほしかったんだ。
こんなにヒロが泣くなんて思わなかった」




奴はいかにも後悔してる顔をしながら俺の目元を優しくぬぐった。それが嬉しくて許してしまいそうになる。




「太陽は好きなんて言ってくれたことなかったから」


「、、っ!俺言ったことない!?」


「ないよ。」




ガバッと俺を引き離し、驚いた顔で聞き返した奴に即答する。
なんか馬鹿馬鹿しくなってきた。




「ごめん!俺ヒロのこと本当に愛してるんだ!浮気も本当はしてないし!」


「、、っ」




奴に愛してると言われただけでドキッとしてしまう。どんなに最低なことしてもやっぱり好きなんだなと再確認。




「これからは何でも言っていいから!いや、言ってください。俺、もうヒロのこと泣かせたくないからもう別れるなんて言わないで。」


「、、信用できないよ。」




奴の言葉は飛び上がるくらい嬉しいけど信用できないのも本当だ。




「うん。ごめんでもチャンスをください。俺絶対ヒロから離れないから」


「わ、分かった。本当は俺もまだ全然太陽のこと好きだから」


「〜〜!!!ありがとう!ホントに俺バカでごめんね。大切にするから」




本当は不安ばっかりでもうあんな思いはしたくないけどやっぱり好きだから奴を信じてみようと思う。


end
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