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小さな変化






桜木たち関連以外で棗の学校生活に近頃小さな変化があった。



それは本人からすれば取るに足らないことであり、周りの生徒から見れば非常に気にすること。





『おはよう流川』


「っす」





先日の一件から流川と挨拶をするようになった。



包帯がすっかり取れた彼は本日も擦れ違う女子たちに騒がれながら教室に入ってきた。

相変わらずの人気っぷりに拍手を送ってやりたい。




いつもなら席に着くと直ぐに熟睡体勢に入るはずの彼が起きているので話しかけてみた。





『最近部活はどう、大変?』


「そうでもねぇ」


『流川ってかなり有名みたいだね、つい最近知ったよ』


「有名なのはアンタだろ」


『え?』





凄いんだねぇなんて言ってみれば流川はドアのところを直ぐ後ろのドアを指差した。


目で追えば今度は剣道部とは違った上級生がこちらの様子を窺っているのが見えた。

あれはもしや――







柔 道 部 







それから反対のドアのところを流川は指差し、そちらを見れば数人の女子がこちらを見て嬉々として話をしているのが分かった。





「アレ」


『じゅ、柔道部はそうかもしれないけど……あの子たちは流川を見て騒いでるんだよ』


「アンタ」


『いーや、流川』


「アンタ」


『流川、絶対流川』





周りの視線はそれぞれ自分ではないと言い張っているが……お互い平然と話をしている棗と流川の両方に視線を注いでいるのが事実。


特に女子おろか男子でさえも口を利かない流川がこんなにも接している唯一の存在である棗への好奇や嫉妬が多い。





予鈴が鳴ると話は打ち切られ、正面に向き直る。







友達の一歩


(つかなんでこんなにムキになったのかしら)

(何故アイツへの視線が気に入らない……?)



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あきゅろす。
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