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四字熟語が似合う







桜木が身投げをしようとした翌日。




一番まともな水戸の話によると、

思い人のハルコさん――赤木晴子に、桜木が彼女の片思い人のルカワに怪我をさせたと勘違いされて嫌われてしまったとのこと。





(なんつー三角関係。
しかもルカワって人は赤木晴子にお前誰だよ発言……)



「本気だったからショックは今までよりデカいだろうな」



『そっか、桜木も可哀想だねー』



「思い切り棒読みだな。
ダチの癖に冷てぇな、お前」





話の腰を折るような高宮の発言に棗は彼の頭にアイスクリームを作った。




棗は腕っぷしも強い上に剣道や柔道をかじっている為、そこらの男子よりもはるかに強い。



おまけに容姿端麗に成績優秀に運動神経抜群と漢字熟語が多い。

今年の入学式で新入生代表に指名もされた。





『とりあえず赤木晴子に誤解は解いてあげたんだよね、水戸?』



「あぁ。あとはなるようになるしかないさ」



『そっか。
んじゃ、桜木に何かあったら教えてくれる?』



「了解」





棗は水戸たちと別れて1人教室へと向かう。



水戸たちは颯爽と歩くその後ろ姿を見て、

今になっても棗のような完璧人間が自分たちなんかとツルんでいるのかと疑問に思った。








和光中時代には不良として名を知られていた自分たち。


そんな時ひょっこりと前触れもなく、あっさりと自分たちの中に入ってきた彼女は当初は不思議そのものだった。


外見だけで判断することもなく、誰にでも平等で自分にも他人にも厳しいところがある彼女は彼らに好感を与えたのだ。





「でもよー、アイツが1番変わってるって思うのはやっぱり」



「アレしかないだろ」





文武両道を貫く棗の趣味はカメラとスケッチと……桜木花道の観察。



桜木と棗が出会った当時、水戸たちはその場にはいなかったが、初めは不穏な空気を醸し出していたらしい。

だがどういうわけか2人は非常に仲が良くなり、
今となっては水戸たちと同等に棗に絶対の信頼を置いている。それは棗も然りだった。






「俺、1回花道の何を観察してるんだって聞いたことがあるぜ」



「何て答えたんだ?」



「花道の成長だってさ」



「は、成長?」



「アイツ見てると親が子を見守るような気分になるんだとよ」



「んー、ますます由利棗という存在が分からなくなる」



「花道も写真撮って貰ってかなり喜んでるしよ」






高宮たちは俺の素晴らしさを撮るがいい!と高らかに笑う桜木の顔を思い出して頭を抱えて顔をしかめ、

水戸は擦れ違いに友人たちと挨拶を交わす棗を見据えた。








紅一点の趣味は観察


(つかさ、親が子を見守るって言ってもアイツまだ高1だろ)

(それ言ったら絶対棗のラリアット食らうからタブーな)



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あきゅろす。
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