2 生きて、いる 人の体というのは不思議なもので 刀の時には感じなかった 痛み がある。 力が出ないのは人の体になったせい 「俺はいつも、足手まとい、か」 嘲笑を浮かべ諦めたように呟く (加州に偉そうに言ってしまったなぁ、 怒って、いるかなぁ) 自分もまた怖いのだと 誰かに叫びたい しかしそんな情けないところをさらすこともしたくない 相反する2つの想いで心が潰れそうだった また、勝姫の時のように、守り刀に、戻らねばなかないのか、 俺は、やはり、飾りでいるしか、無いのだろうか 目が覚めたとき鳴狐がいて、とても、嬉しかった すぐに何処かへいってしまったけれど、 ずっと彼の気配は感じていた 行かないで、まだ、ここに そんなことを言おうとして、辞めた 強く、あらねば 守りたいのだろう 戦いたいのだろう ならば 弱い心など捨てて 目頭が熱い 病なのだろうか、 「童子切?泣いておるのか?」 [*前へ][次へ#] |