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愛されたい加州と
それは初めて童子切が出陣したときだった

加州清光を隊長とした第一部隊に組み込まれた童子切


そこで運悪く検非違使に遭遇してしまったのだ
「くっ、ちょっとなんなのこいつら!?
皆油断しないでね!
!」
「っっ、ぐ」

最後の一体に止めをさしたのは以外にも童子切であった

満身創痍の第一部隊の面々、重症を負った
童子切

「っ、あーぁ、こんなに汚れちゃった。こんなんじゃみっともなくて帰れないっ!!」

「か、加州殿??」

"この"状態の加州清光を見るのが初めての童子切は困惑していた

「ふぅ。またか加州の旦那
気にすることは無いぜ?出陣したときの旦那は大抵こうだからな」

「そうなんですかぁ、えぇっと、」

「俺っちは薬研藤四郎!
薬研って呼んでくれよ」

その実薬研と会うのは初めてであった

そうっと加州に近づく

ポスン

「あなたの髪はさらさらで、とても美しいですね」

「はぁ!?なにいってんの、そんな慰めいらな」
「主殿の為に頑張ったのでしょう?」
「え?」
「主殿はそんな貴方を叱るのですか?」

諭すように撫でていく

「この傷は、主殿の為に負った勲章ですねぇ」

「くん、しょう?

うん、うん。あるじ、誉めてくれるかなぁ」

「はい!きっと誉めてくださいますよ、だから」

帰りましょう

「!?童子切!?ちょ、え、大丈夫!?」

「ちから、はいりませ、」

「加州の旦那!!急いで本丸に戻るぞ!
童子切の旦那がぶっ壊れちまう!!!」

太刀というだけあって縦に大きな体運ぶのが大変だが、

加州と薬研は必死に担いで本丸に帰ってくれた



「お帰りー!どうだっ……!?え、え、どうしたの!?そんなに大変な所じゃなかった気が、」
「報告はあとにしてくれ大将!!」

「主っ、童子切が、」

ふっとその視線を童子切に移らせた審神者は息を飲む

いつもほけほけ笑って飄々としている童子切が眉間にシワを寄せ
エメラルドを埋め込んだような瞳は固く閉ざされている身体中から血が滴っていた

「急いで手入れ部屋に!
それから皆も怪我をしてるからついてきてね」

手入れ部屋に寝かされ
扉は閉ざされた



「清光お疲れ様。
何があったのか聞いてもいいかい?」





「……それで、いつものその、あれが来て、童子切は満身創痍だったのに慰めてくれて、俺のせいで、童子切、が、」

「うんうん、よくわかったよ!
ありがとなぁ清光、隊長として頑張ってくれて、検非違使なんて、怖かったろ?

ありがとう」


あぁ、あいつのいった通りだ
優しいこの主は、ありがとうっていってくれるんだ
血まみれで綺麗じゃない俺のことを、
こうして撫でてくれるんだ。

早く起きなよ童子切、
あんたの言う通りだったって、
主に撫でてもらったんだって、
あんたに話したいんだから。



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