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be free
ある朝の一幕。

私の可愛い可愛い可愛い妹は、今日もお寝坊さんだ。




グッドモーニングマイシスター




頬を撫でる。反応はない。
おでこにキスをする。反応はない。
全く起きる気配がない。と言うより元々私に、真面目に起こす気がない。

あぁ、相変わらず可愛い寝顔。

ふと思い立って、密着させていた身体を少し離してみた。
それからしばらく観察していると、遥希は眉をひそめて「んぅ、」と不満げに唸った。
そしてこちらへ伸ばされる、身長の割に小さな手。

彼女の指が私の腕に触れたのと同時、ここにいたかとばかりに彼女は私の胸にすり寄ってきた。
まだ彼女は眠りの中。無意識の産物であろうその行動に私の胸は高鳴り、口元はだらしなく緩んでしまう。


「遥希、」


改めて抱き締めて、子供がぬいぐるみにするように頬を寄せてキスをする。


「好きよ、遥希」
「んー…」


小さな反応が何だかたまらなく愛しくて、腰に回していた手でお尻を撫でてやる。
今更だが、昨晩の情事後そのまま眠りについたので彼女も私も全裸だ。

手触りのいい小振りなお尻。ぷりぷりの弾力を楽しみたくて、きゅっと掴んだ。
くすぐったいのか、彼女は布団の中でもぞもぞと動く。


いつの間にか時計の針は11時を指していた。
今日は午後からデートだし、そろそろ起きて貰わなくては。
丁度良いので、このままちょっかいを出し続けることにした。

指の先でお尻の割れ目をそっとなぞる。
案の定彼女は身を捩り、再び漏れる不満げな唸り声。


「うー…何ぃ…」


恐らく若干意識が戻ったのだろうが、彼女はドがつく低血圧のため、覚醒しきれていないといったところか。
向こう側へ寝返りをうって逃げようとするのを覆い被さって阻止し、固く閉じられたままの瞼にキスを落とす。


「遥希、起きて」
「起きてる…」
「ちゃんと、起きて」
「起きてるよ…」


不機嫌極まりないといったその声、その表情。
一向に起きる気がないどころか、親切な姉の行為に逆ギレ気味だ。
ここは一つ、姉として厳しくあらねばならない。


「嘘吐き」


さらさらの髪をあやすように優しく撫でると、寝させて貰えると思ったのだろう、安心したように表情を和らげた。

甘い。甘過ぎる。
私の愛しいお馬鹿な妹。


「嘘吐きには、お仕置き」


我ながら心底楽しそうな声色だったと思う。
その証拠に、身の危険を察した彼女はぱっと目を見開いた。

でも、もう遅い。

さっきまで優しく頭を撫でていた筈の手で真っ黒な両の瞳を覆い、反射的に顔を背けたその耳にかぶりつく。
跳ねる身体、上擦った声。
全てが愛しくて、私は夢中になって舌を這わせた。

一通り楽しんでから目隠しを外してやると、現れたのは真っ赤に潤んだ、けれど反抗的な瞳。


「おはよう、お寝坊さん」


私は素知らぬ顔どころか満面の笑みで、妹に朝の挨拶を告げた。




バッドモーニングマイシスター




「…最悪の目覚めだよ」








※いつも似たようなものだけど。

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