キモイと叫びながら走り去る彼女


 今日の占いは一位だったのに、良いことナシ! あの占いはガセだったのか。

優男に見せかけた馬鹿B


「立ち話もアレだからドーナツでも食べに行こうか。甘いの好きだよね? 奢るよ」

「え、私の話聞こえませんでした? 私、今、すーぐーに、バックザマイホームする予定なんで一人で、ドーナツでも味噌ラーメンでもモツ鍋でもどうぞ一人で食いに行きやがって下さい」

 これは偶然なのだろうか、それとも偶然に見せかけた必然なのだろうか。
 放課後シャーシンを買いに商店街に寄ったら、昼間にあった頭トチ狂ってる系の見た目優男に絡まれた、いや、現在進行形で絡まれてる。

「あ、やっぱりパフェとかの方がいいかな?」

 爽やかな笑顔で楽しそうに話す見た目優男の莫迦。なにコレ、まるで人の話を聞いてないんですけど。

「お前マジで病院行ったらどうですか。とりあえず精神科から」

「ケーキも捨てがたいよね」

「もういっその事どっかの国で人体実験にでも使われて野垂れ死んで下さい」

 思わず死ねとか言ってしまった。これはもう、少し頭トチ狂ってる馬鹿優男でも怒るだろう。怒鳴り声や怒り声に構えて少し後ずさる。

「ふふっ、可愛いなあ」

「…………キっ――」


キモイと叫びながら走り去る彼女


(そんな姿も可愛いと思わずにはいられない俺)
09.12.22


[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!