言い知れぬ恐怖に戦く私


早起きで顔面真っ青って私だけ?

願いを叶える星Q


 もう冬と言われるこの季節。セーターだけでは少し寒くて、むき出しの足も手も冷たくなってる筈なのに顔だけはやけに熱くて、心臓は痛いくらい大きく波打ってて、自分の体なのに感覚がちぐはぐで、でも、それが嫌じゃない。


「あ、の」
「なあに? てか、莉央ちゃん大分寒そうだけど、大丈夫? せめて校舎入ろうよ」
「いい! す、すぐ終わるからここで、」


 この桜の木の下で、言いたい。


「三日月先輩……わたし、先輩の事が――っ」


 すべてを言う前に視界が極端に狭まり、冷えた体に温もりが伝わってきた。


「ひっ、あ、あのっなんでっ」
「ねえ。告白ってさ、男の子がするもんだと思わない? 震えながらも必死に頑張る莉央ちゃんもそりゃ押し倒したくなるぐらい可愛かったけどさ。俺に言わせて?」


 ぎゅうっと抱き締める力を強めて先輩は私の耳許で愛を囁いた。返事なんて決まってる。元々私から言うつもりだったんだから。


「莉央ちゃん、上向いて?」

「あ……」


 上を向いて先輩と目を合わせようとすれば、もう視点が合わないくらい顔が近付いてきてて、私の唇に先輩の唇が、ふれた。


言い知れぬ恐怖に戦く私

(ってゆう夢を見た俺)
11.8.22


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