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花束
標的2  日本のアノ子


しばらくしてウトウトし始めていたら急に声をかけられた。

「こんにちは。」

優しい声がして、急に視界が遮られた。

『!!』

「如月知春さんだよね?」

『は、はい。』

すると、今度は視界が明るくなった。
目の前には赤ん坊がいた。
その子は赤ん坊なのに、巫女さんの衣装を着ており、
真っ黒なおしゃぶりを首から下げ、
さらには頭の上に、これもまた真っ黒なカラスがいた。
そして、一番驚いたのが、手に槍を持っていた。

「初めまして、知春さん。
 今日から貴女の家庭教師になる撫子です。
 よろしくね。
 ついでに、このカラスは私(わたくし)の相棒。
 レイブンと言うの。」

『あ!これはこれはご丁寧にどうも!!
 ………ってちがーうっ!!』

「まぁ、良いノリツッコミね。」

そう言って撫子とか言う赤ん坊は上品に笑った。

『いやいやいや。
いきなり家庭教師とか言われても意味不明だし。』

「あ、大丈夫よ。もう貴女のお母様には許可とってるし。」

『そういう問題じゃないのっっ!!』

「ではどういう問題ですの??」

『だって赤ん坊が家庭教師なんて。』

と、私が言い終わった途端、撫子の雰囲気が変わった。

「あ゛ぁ??このワシをなめとんのか、ゴルァ。」

『……すいません。私が悪かったです。』

槍を喉元に突きつけられれば、誰でも謝るだろう。

「…分かればいいのよ、分かれば。」

恐ろしい雰囲気から、最初の優しい雰囲気に戻り、
槍を降ろしてくれた。

『んで?私は成績そこそこなのになんで家庭教師??』

「ふふふ。それはね、貴女をマフィアのボスの秘書として
 育てることになったから、私が来たのよ。」

『はぁっ!?マフィア!?』

「そう。私はある方から、貴女を立派な
 ボスの秘書に教育するよう依頼されたの。」

『そんなこと言われても…。しかもボスって一体…?』

「残念だけど今はまだ教えられないわ。
 大丈夫よ、貴女の知っている人だから。」

『知っている…?う〜ん。分からない…。』

「まぁ、そのうち分かるわ。
 とにかく、今日から貴女の家に住まわせてもらうからね。」

『住むの!?』

「ええ、そういう契約でしたから。」

『マジですかぁ。まぁ、いっか。じゃ、帰りますか。』

「ええ。」

そういうと撫子はピョンッとジャンプし、私の肩に乗っかった。





次の日、私は聞きたくなかった事を聞かされることになるなんて、思いもしなかった。



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