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花束
標的1 日常の日常


「知春ー!!」

『はーい!!ちょと待ってて!!』

いつも通りの朝。幼なじみの綱吉と一緒に学校へ登校
する。
何も変わらないはずなのにこの日はなんだか違った。何か起こる気がする。

『ごめん!遅くなった!!』

「いいよいいよ。じゃ、行こうか。」

『うん』

綱吉は同じクラスの笹川京子のことが好きだ。
ずっと見てきたから分かってしまう。
京子もたぶん綱吉のこと嫌いではないではないだろう。
そして、私は、綱吉のことが好き。
でも、綱吉は私なんてただの幼なじみにしか思ってないだろう。

「知春?」

『えっ!?なに?」

「もう学校着いたよ。」

『えっ。あ、ほんとだ。』

「気づいてなかったなんて…考え事?」

『う、うん。まあね。』

言えない…。綱吉のこと考えてたなんて。

「そっか…。まあいいや、教室行こう。」

『うん。』

2年A組に入ると、京子ちゃんがやってきた。

「おはようっ。ツナ君、あすかちゃん!」

ニコッと可愛らしくあいさつされれば
誰でも顔が赤くなるだろう。綱吉もその一人だ。

「おおおおはようっ!!京子ちゃん!」

『おはよう。』

「ふふふっ。今日はいい天気だねっ。良いことありそう♪。」

「そっ、そうだね!!」

なんだか私、置いてけぼり。
だったらもうご自由にどうぞって感じー。
その場から離れ、自分の席についた。

『はあーあ…。』

もう今日は授業を寝て過ごそう。
ところがそういかないらしい。体育があった。
これは寝ちゃいられない。なぜなら私は体育が大好きなのだ。
成績はいつも5だからこればかりはちゃんとやる。

「知春ー!!着替えに行こうっ!」

この声は、私の数少ない親友と呼べる存在の高橋つばさ。
サバサバした性格で、中学に入ってから仲良くなった。

『はいはーい!』





今日はバスケだ。男女分かれてやるから綱吉があまり見えない。

「まぁーた沢田くん探してるー!」

『つばさっ!ちがっ…』

「そうやって慌てるってことはー、探してたってことじゃんっ!」

『むぅ…。』

「知春ったらわかりやすっ!」

そうやってふざけてたからか、ボールが飛んできていたことに気付かなかった。

「!!知春っ危ない!!」

『えっ??』

つばさが叫んだが、時すでに遅し。
私の頭にクリーンヒットした。

『いたーいっ!!』

「ごめんねっ!知春ちゃんっ!!」

ボールをぶつけた子が謝ってきた。

『いいよいいよっ!私がボール見てなかったのが悪いし。』

とは言ったものの、頭がクラクラする。

『つばさー。私ちょっと休んでるねー。』

「わかった。先生に言っとくー。」

『ありがとー。』

体育館の隅っこに座り、ふと男子の方を見てみると、ちょうど綱吉がプレーしてた。しかし、

「ツナ、パスいったぞ。」

ベチャッ

「ぶっ!」

ボールが綱吉の顔面に直撃し、さらには豪快な音をたてて転んだ。
綱吉のまわりでは、野次が飛んでいた。

「またかよー。」

「たのむぜツナ!」



「おまえのせいで負けたんだからなーっ!」

授業が終わり、すぐさまツナは謝ったが、

「とゆーことでお掃除たのめる?
 俺たち貴重な放課後は遊びたいから。」

「え゛っ」

「んじゃ頼んだぜーっ!
 ファイトだダメツナ!!」

「ちょっ、まってよ!」

綱吉のよびかけに見向きもせず、
さらにはこんなことも言っていた。

「テストは?」

「入学以来全部赤点!」

「スポーツは?」

「ダメツナのいるチームはいつも負け!」

最低なヤツラだと思う。
でも私は綱吉をかばったりなんんかしない。
だってそれじゃ、綱吉は強くなれない。
綱吉は綱吉で言い返さない。
言い返しなさいよ。まったく…。

「ヘイヘイ。どーせオレは運動オンチですよ。」

誰にでも苦手なことくらいあるのに…。ちなみみに
私は綱吉から見えない位置に座っている。
ふと外を見ると、京子ちゃんと花ちゃんが通った。
ということは……やっぱり。
綱吉は京子ちゃんを見て頬を赤くしていた。

『はぁーぁ…。』

「ん??今何か聞こえたような…。気のせいか。」

気づけよ、ばか…。



綱吉が体育館を出た後に私も出た。
そして走った。
走って走って河原についた。
草の上に寝転がり、空を見上げた。







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あきゅろす。
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