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ももくり
もも色(ももくり)



ももくんから指輪を貰った。









もも色









夏祭りに二人で来るのも、もう三年目。

しっかりと繋がれた手は…やっぱり嬉しい。





「わー、キレイ」

立ち並ぶ屋台の中に、アクセサリーを売っている所を見つけた。



「ふふっ、これ可愛い」

惹かれて手に取ったのは、ピンク色の指輪。



ピンク…あっ!

「もも色だね」

「ーーっ!…貸して?」

「?はい」

「これください」

そのまま買ったももくん。

「はい、あげる」

「あ、ありがとう…。

一生大事にするねっ!」

「…うん」









そろそろ帰る時間が近付いて来た頃、ももくんに誘われた。

向かった先は、神社の境内だった。





「さっきあげた指輪…ちょっと貸して?」

「?はい」

「手、出して?」

よく分からないまま手を差し出すと…

「そっちじゃなくて…左手」



左手…指輪…もしかして!?

軽く手を握られる。



ーー薬指に嵌められていく指輪。





月の光に輝くそれに見惚れていると…今度は、抱き締められた。



「一生…大事にしてね?」

「はい…」

「俺も、一生大事にするから…ユキのこと」





私の瞳から、ポロっと涙が零れるのを感じた。

ももくんと出会ってから初めて、嬉しくても涙が出ることを知った。



ももくんのことは、ずっとずっと大事で…だから…

「私も…」

ももくんのこと一生大事にします。



涙で上手く言葉に出来なかったけど…ももくんには伝わったみたい。


ももくんの手が優しく涙を拭ってくれた。

そして…そのまま、頬に添えられた。



ももくんの瞳に捕らわれると…二人の距離はなくなっていた。

そのキスは、二人の想いが重なった瞬間で…神聖なものに感じた。



だからこそ、改めて誓うーー





ももくんから貰った指輪も、言葉も、想いも…全部、一生大事にします





2016/8/17



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