ふと、気づけば(左之新:左之独白)
いつの間にか当たり前で、いつの間にか忘れていた。
俺は一人の人間だけど、同じ人間をこの手で絶命させてきたのだ。この手は真っ赤で血生臭い。しかしもう今更、後戻りも出来はしない。
これが俺、それが俺。
きっとこれは、とても悲しい事なのだろう。だけど麻痺した俺の感覚は血を気にしない。ものともしない。だが、たった一つだけ。そんな俺を昔に戻してくれるのは
「さの、」
同じ色に染まった、その温かな掌なのだった。
ふと、気付けば(お前が居るのも、『当たり前』)
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