AAA(竹久々)
ジリジリと、茹だるような暑さが身を焦がす。同時にジワジワと、燃やすかのようにお前が俺の心を焦がす。
「・・・暑いんだけど・・・」
俺は気だるげに腹に回された腕を見ながら言った。そこにはぼさぼさした髪を持つ俺とは真逆な男が居る。
「ん〜、もうちょっと」
「嫌だ暑い死ぬ」
「わっ!ちょっ!」
尚も離す気の無い竹谷を腕で力任せに押しやれば、彼は一瞬怯んだけどすぐに持ち直してしまった。体力馬鹿はこういう時に面倒である。
「お前も暑いだろ・・・」
「確かに暑いけど、」
「なら離せ」
「嫌だ」
俺はわからなくて竹谷の顔を覗き込んだ。背の方にあるそれは俺と眼を合わすなりニコリと笑みを浮かべる。
「何でだよ」
「兵助に触ってたいから!」
「・・・は?」
「暑いなら何しても結局暑いだろ?なら、やりたいことやった方がいいじゃん。」
さも当然のようにけろりと言い放った竹谷に、俺はみるみる顔が赤くなるのを感じた。しかし彼は追い討ちをかけるかの如く、それに・・・と、更に続けた。
「アツさで死ぬって言うならさ、俺の熱で死ねばいいかなって。」
AAA(そういってまた強く抱き締め直す腕を、俺は振りほどけなかった。)
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