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第一話




―NOB186-a/某日(戦場)―

ザラリと、小石が弾ける音がする。俺は青い色の空に気付き上空を見つめた。

(ああ、真っ青だ。)


草の焼ける臭い
地に伏す塊
今だに消えることのない炎は真っ黒な煙をあげている
…もう幾度となく経験したそれらに俺が揺さぶられる事はない。

(……彼奴も、見上げているだろうか。)

俺は視線を戻して耳元に触れた。
カチャリ、気に入っているカフスが音を成らす。
それは酷く、俺に響いた




「…………兵助。」







++++++++Before two years ago(二年前)

―NBC203(食堂)―

「はあ、疲れたー…」
「お疲れ様、はち」
「今帰ってきたのか?」
「よお、雷蔵に三郎。」

俺は机に突っ伏していた体を起こしながら目の前の席に腰かけた親友達に手を上げて挨拶をする。

「今回は少し長かったんだな。」
「ああ、彼処の地形は大した曲者でなあ…攻略するにはちっとばかし体力がいるよ。」
「成程、だからはちが行かされたのか。」
「どういう意味だ三郎、」
「はちは体力馬鹿だろ。適任じゃあないか!」
「喧嘩売ってんのか…?」
「あっはっは、まっさかあ〜!」

三郎はケラケラと笑いながら持ってきた食事に手をつけ始めた。
ふと、俺の手元に同じものが無いことに雷蔵が気付く。

「はち、ご飯は?」
「ああ、後で食うよ!先にこっち来ちまったからさ。まだ報告に行ってないんだ。」
「そっか!、早く行ってきちゃいなよ。僕達もまだここにいるからさ」
「おう!」

俺は二人に手を降って食堂を後にした。






(第一話 了)

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