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宣戦布告(久々→竹←タカ)



「たーけーやー君っ!」
「わっ!」

君の広い背中を見付けたらうれしくなって、
思わずガバッと抱きついた
俺とは違う鍛えられてる体は少しよろけただけで倒れもしない。格好いいなっ

「もー、タカ丸さん。何時もイキナリ飛び付かないで下さいって行ってるでしょうに」
「えへへ、ごめーん」

怒っている様な口調だけどそういう怒気は無くて。彼の苦笑いと困った顔が此方を向いた

「それで、今日はどうしたんですか?」

深い瞳の色に吸い込まれそう。どき、どき。する
何時も何時も何時も何時も君のその全部が俺を!

今日こそ俺に下さい。
今日こそ俺に教えて下さい。
今日こそ俺に…君を…

「うん、あのね!俺さあ…」
「おい、斎藤」
「おっ兵助!」

向かい合い話していた俺たちの間を割くように黒髪を揺らしながら久々知君が現れた(何時も何時も、そうなんだから)

「やあ、久々知君」
「話してる最中に悪いが斎藤、委員会だ」
「大変だなあ〜火薬委員会」

竹谷君はカラカラ笑う。俺も、久々知君もそれを見つめる
何故かって?わかるでしょ?


「竹谷も仕事だろ、」
「ああ。今日は飼育小屋の大掃除だ!」
「そっちも充分大変な委員会だよねえ。こないだジュンコちゃん逃げたんでしょ?俺怖くてさー」
「伊賀崎のペットな…まあもう慣れたよ、流石に」
「ええ!でも毒持ってるんだよ!竹谷君怖くないの!?」
「怖くなんてないさ、彼奴らだって必死なんだから。毒だって防衛の為だし、何よりなついてくれてんだから可愛いもんだぞ」
「何時も思うけど、お前って凄いよな…」
「そうか?」

驚く俺と一瞬目を丸くしてから深く溜め息を吐く久々知君
竹谷君は不思議そうにしていた。
そんな姿さえ、眩しいだなんて

「竹谷君てやっぱり格好いい!」
「は?」
「へ?」
「俺、惚れ直しちゃった!」
「!斎とっ…!!」
「え?惚れ…え?」
「うん!俺ね、竹谷君が好「委員会!さっさと行くぞバカ丸!」


久々知君が俺の首ねっこを掴んで勢いよく走り出した
(あああっ!竹谷君が遠のいてゆく…!)
俺が竹谷君に想いを告げようとすると何時もこう。
逆に言えば久々知君が何かしようとすると俺が割って入る。
久々知君はちょっと無自覚みたいだけどどうやら俺達恋敵!



「痛いよ久々知君〜」
「うっさいバカ丸!竹谷に告ろうとしやがって」
「いいじゃない、好きなんだから」
「よくないっ」
「何で?久々知君、竹谷君の事どうも思って無いんでしょ?昨日言ってたじゃない」
「あっあれは…そのっ」
「俺が竹谷君といるのが嫌?」
「…嫌っつーか…ムカツク」
「そう、」

脚をピタリと止めた久々知君に目だけ視線をやると彼は少しうつ向いていた


「久々知君も竹谷君が好きなんだね」
「!」


俺の言葉に分かりやすく顔を赤に染める



「竹谷君が好かれていて嬉しいな…でもね」


今度は真っ直ぐに久々知君を見つめた









「彼は渡さないよ」







宣戦布告

(五年間という穴を埋めるのは到底無理かもしれないけれど。君には、負けない。)

竹谷、モテモテだなあ…(笑)

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