硝子の靴より自分を落とすシンデレラ 【夏切+與儀】
※CA 第17譜〜第18譜
ユッキンをかざす為に来た道を歩いていると、
大きな穴を発見した。
无君曰くカタカタという音がするらしく、
(无君の超聴力には、本当に驚かせられるなー)
无君の頭を撫でると、少し照れたように笑った。
(可愛っ)
與儀、无君、花礫は穴の中に行き、
ツクモちゃんと自分は外に待機させられることに。
「ねえっ 奥があるよ!ユッキンの救出の探検だね〜っ」
(探検…?楽しんでる…?)
「…出てきたら苛めてやる」
「何かの時の外との連絡役にツクモちゃんと夏流ちゃんは残って残っててね〜っ」
「女の子を極寒の外に放置って…。絶対に楽しいよ、あの穴!」
雪だるまや雪うさぎを作りながら、ぶつぶつ文句を言いながら3人の帰りを待つことに。
「夏流寒いの?大丈夫?」
「ツクモちゃん!」
がばっ
「可愛いし、暖かい!私の癒し!」
「夏流…」
「不器用なところも大好きだよ」
=====
ビュオオォォオオォォッ
「吹雪が酷くなってきた…」
(みんな…大丈夫?)
『…ユッキン…ッ』
「「!?」」
「ツクモちゃんも聞こえた!?」
「うん…今…ユッキンの声…」
遠くにユッキンの姿が見えた。
ツクモちゃんが真っ先に走りだして、それに続こう思い、走りだす。
ずるっ
「おっわあ!」
雪に滑って穴に落ちた。
どてっ
「…っ、痛ぁー!」
=====
「ユッキン…!!よかった…」
「どこ行ってたの…みんなで探してたのよ…っ」
『ユッキ…ッ』
「ねえ?夏流っ」
「…夏流…?」
ビュォオオォォオオッ
=====
感動の再会に、ありえないんですが。
急いで外に出ていこうとすると、ツクモちゃんの声と知らない男の声がと聞こえた。
敵だとしたらツクモちゃんが危ない。
「ツクモちゃーんっ、夏流ちゃーんっ
お待たせ あのね〜 なんか怖い匣見つけて〜」
「! 麒春!」
「仲間いた」
「!!」
後ろから與儀の声が聞こえてすぐに、出口から嫌な感じがした。
急いで外に向かう。
「埋まっとけ ジャマ」
ズゴッ
(能力者…!まさか夏流もこの人達に…!?)
「與儀!!」
ガラガラ、カラン
「あ……、あっぶなー…っ」
間一髪、外に出る事が出来た。
跡形もなくなった穴を見る、與儀達は大丈夫だろうか。
ガッ…バッ!
戦闘する音が聞こえて、上を見上げるとツクモちゃんと知らない男が戦っていた。
「うわっと〜♪」
「…ツクモちゃん!」
「っ! 夏流!」
ツクモちゃんのもとに駆け寄ると思いっきり抱きつかれた。
「良かった…本当に良かった…っ」
「ごめんね、穴に落っこちちゃった…ところで誰?この人たち?」
「分からないけど、穴を塞いだのはこの人たちよ。多分、能力者…」
きっと睨み付けると、目が合う。
「あんたら…、!」
「ひ」
「「?」」
「夏切さん?」
「ひ…ひひ…、」
「100万ポイント!!」
「「っ!!」」
ポ、ポイント?
「麒春!俺はさらわれた姫を救う勇者だ!」
「おお!」
「そして、救われて恋に落ちる姫は、お前だ!!」
ひゅうーーー…
びしっという効果音がつくくらいの勢いで指をこっちに向けてくるゴーグルをつけた夏切という男。
「…ツクモちゃん、呼ばれてるよ?」
「違うわ、夏流よ」
「かあーーーーっこいいっすね!!最高っす!!」
「だろうっ!?」
「あの、何を言っているのか…わか…、」
「と、いうわけで!」
「どういうわけで!?」
「俺に助けられろ!!」
「「…………。」」
「…てか、今逆に襲われたんですけど。ツクモちゃん、どうしよう…」
困ってツクモちゃんを見ると、
「……………」
目が完全に据わっていて、すごく黒いオーラを発している。
無言なのがさらに怖いよ。
あの二人にいたっては自分たちの世界に入り込んでいて。
うん、もうこれは、逃げられないの図。
ツクモちゃん戻ってきて!
=====
『俺の姫〜♪』
「何か、聞こえる?」
「………」
「おい?」
「花礫君、早くでよっか…?」(にこぉ)
「あ、ああ…」(ブル…)
なんか寒い。
=====
「さあさあ!俺に助けられろ!」
「夏切さんに助けられろ!」
「…………」
「…誰がたすけら、」
ズズズ…
ドゴォォッ
「「「「!?」」」」
「爆破…っ みんな…っ」
「…嘘…っ」
「夏流の勇者様は、この俺だけ〜♪」
くるっと振り返って與儀が笑う。
「…ね?」
「……嬉しい、」
「花礫、无君ーーーっ!」
「会いたかった!」
マシな人が来てくれて!でも、
「…與儀もありがとう…」
與儀になら敵に何度でもさらわれても、
何度でも助けられたいね。
硝子の靴よりも自分を落とすシンデレラ
▽ライターノーツ
夏切の目が意外と可愛くて衝撃をうけたというわけで書かせていただきました。
結局は、與儀さんに持っていかれましたが。
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