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ハッピーバースデーファーストエイド(パーティーメンバー)/「TOV」
「ユーリ! 新しい術技が閃いたんだ。実験台になってくれないか?」
「ちょ、フレン! 何言ってんの?!」
「公然と死刑宣告たぁ、さすが騎士団長代理サマはやることが違うわねぇ〜」
「ん? 何を言ってるんだい? 術技を閃いたらまずユーリで試す。見習い騎士の頃からずっとしてきたことだよ。なぁ、ユーリ?」
「馬鹿、いつからそうなったんだ。違うっての! あれはだな……」
● ● ●
「いてて、ちくしょー」
「ユーリ、また怪我したのかい? まったく君はいつも無茶をして……」
「悪ぃフレン。絆創膏取ってくれねえか?」
「ああ、それならちょっと待ってくれないか? ……ブツブツ」
「なんだ? どうした、ブツブツ言って……」
「聖なる活力、此処へ来たれ、ファーストエイド!」
「うおっ!? フレンおまえ、治癒術覚えたのか? いつの間に……」
「君は生傷が絶えないからね。この術技から覚えて正解だったよ。これからは僕が治してあげるよ」
「サンキュ」
翌日。
「ユーリ! 怪我してないかい?」
「あん? してねーけど」
翌々日。
「ユーリ! 怪我して――」
「またかよ! してねえっての!」
三日後。
「ユーリ! 怪我――」
「……てか、何でおまえナイフなんか持ってんの……?」
数日後。
「ユーリ! 新しい治癒術を覚えたんだ。ちょっと怪我してくれないかい?」
「な……おま、それ完全に主旨違ってんじゃねーか!!」
● ● ●
「……えっと……どこからツッコんだらいいんだろう……」
「ま、確かに発端は青年だわな」
「と、いうわけでユーリ、今日も宜しく頼むよ」
「何がどうなれば“というわけ”になるんだよ!断固としてお断りだっての!」
「あ! 待ってくれ。ユーリ! ホーリーランス!!」
「うおおぉお!?」
「青年……」
へえ。あたしも見習おうかしら。ガキんちょ! ちょっと新しい術技の実験台になりなさいよ。
ええぇぇえ?!!
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